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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

20年以上前に花粉症を発症しました。当時はひどく、病院で薬を処方してもらわなければならないほどでした。しかし、15年ほど前から症状が和らぎ、薬を飲まなくてもなんとか過ごせるようになり、ここ10年ほどは症状がひどい時だけ病院で薬をもらう程度になっていました。


一般的に花粉症は治らないと言われますが、私の場合、特に何か対策をしたわけではなく、気づいたら症状が軽くなっていたという感じでした。それでもシーズンになると鼻水や目のかゆみはありましたが、マスクをしていればそれほどつらくはなかったのです。


ところが、今年になって突然症状が悪化してしまいました。これまでは鼻水が出て、ひどくなると鼻づまりになる程度でしたが、今年は涙が止まらず、頭が重くなるという新たな症状が現れました。最初は風邪かと思いました。コロナやインフルエンザも流行っているので心配でしたが、熱もなく、寒気や倦怠感もなかったため、最終的に花粉症だと判断し、眼科で薬を処方してもらいました。


なぜ今年になって急に悪化したのかはわかりません。緑内障の点眼薬を使い始めたこと、血圧が高くなったこと、体重が減ったことなど、昨年と違う点はいくつかありますが、どれが原因なのかは不明です。


花粉症のシーズンは2月から4月。この時期は憂鬱で、ティッシュペーパーが手放せず、街頭で配っているものも必ずもらっていました。何度鼻をかんでも次々に鼻水が出て、鼻が赤くなりヒリヒリするのも辛いものです。今年もまたそんな状態になるのかと思うと憂鬱ですね。


花粉症でない人にはこのつらさがなかなか伝わりませんが、本当に大変なものです。シーズンが終われば嘘のように症状がなくなるため、まさに季節性の疾患と言えるでしょう。国民病とも言われる花粉症、何か抜本的な対策を考えてもらいたいものです。


再発(?)しなくても多少の症状は続いていたので、完全に治ることはないのでしょう。しかし、花粉症のメカニズムが解明されているのなら、根本的な治療法が開発されて、この季節を憂鬱な気持ちで過ごさずに済む日が来ることを願っています。

 

 
 

前回のブログでは、PR戦略を5W1Hの視点で考え、「What(何を)」「Who(誰に)」「Why(なぜ)」の3つが特に重要であることを説明しました。今回は、その中でも「Why(なぜ)」に焦点を当て、PR方策を考えるうえでのポイントを解説します。


PRの目的やターゲットを明確にするためには、「なぜ」を掘り下げることが不可欠です。「なぜ知らないのか」「なぜ興味がないのか」を考えることで、より効果的なPRの方向性を見出せます。

例えば、前回の野球の例を振り返ると、子どもが野球を知らない理由として、

  • サッカーの方が人気だから

  • 野球をする場所が身近にない

  • 道具をそろえるのに費用がかかる といった理由が挙げられます。


これらの「Why(なぜ)」を明確にすることで、適切なPR戦略を立てることが可能になります。


そこで、「なぜ」を掘り下げることで、ターゲットごとに異なるPR戦略を考えられます。


例1:子どもに野球の魅力を伝える

  • 野球をする場所がない → 少年野球チーム向けに球場を開放

  • 道具の費用が負担 → グローブを寄付するキャンペーンを実施

例2:女性観客を増やすための施策

  • 球場に行ったことがない → 野球観戦と楽しめるイベントを企画(例:エステ付き観戦プラン)

このように、「Why(なぜ)」を考えることで、ターゲットに最適なPR施策が見えてきます。

 

ただし、「Why(なぜ)」を考えて導き出したPR施策が、実際に実現可能かどうかも重要です。たとえば、球場にエステサロンを設置するというPR施策は話題性があるものの、多額の費用がかかる可能性があります。その結果、PRによって観客が増えたとしても、費用対効果が合わない場合も考えられます。

そのため、PR施策はマーケティング戦略や経営戦略と連携させて考える必要があります。PRの目的が企業の方向性と合致しない場合、結果として期待した効果が得られない可能性もあるからです。

 

「Why(なぜ)」を深掘りすることは、PR戦略を成功させるうえで極めて重要です。しかし、考えたPR施策が企業の経営戦略やマーケティング戦略と整合性を持つかどうかも検討しなければなりません。「なぜ」を意識しつつ、現実的なPR施策を設計することで、より効果的な情報発信が可能になります。

PR戦略を考える際は、「Why(なぜ)」を丁寧に掘り下げながらも、実現可能性や企業全体の方向性とのバランスを見極めることが求められます。

 
 

最近、仕事でも日常生活でも、マニュアルに沿って進める場面が増えている気がします。スマホの操作やデジタル機器の使い方も、マニュアルを見れば解決できることが多いですよね。でも、中には「マニュアルを読むのが苦手(というか嫌い)」という人もいて、わからないことがあると調べずにすぐ人に聞いてしまう…なんてこともあるのではないでしょうか?


私も会社を経営する立場として、マニュアルの重要性はよく理解しています。特定の社員しか知らない業務があると、その人がいなくなったときに困りますし、業務をスムーズに共有するためにはマニュアル化が欠かせません。また、マニュアルを作る過程で、業務の流れを見直し、改善点を発見することもできます。


一番のメリットは、新しく仕事を始める人やまだ慣れていない人にとって、いちいち質問しなくてもマニュアルを見れば仕事を進められること。何度も同じことを聞かれる側としても、そのほうが助かります。正直、同じ質問を何度もされると「いい加減に覚えてほしい…」と思うこともあります(さすがに口には出しませんが…)。


一方で、マニュアル通りの対応をされると、逆にイライラすることもあります。特に最近の通信サービスやスマホの契約は、プランが複雑だからか、電話で申し込むと何度も確認を求められます。間違いのない対応をするためには仕方ないのかもしれませんが、必要以上に細かく説明されると、だんだん訳がわからなくなってくることも…。また、「それを了承しないと契約できません」と杓子定規に言われると、ちょっと馬鹿にされているような気分になることもあります。


もちろん、トラブルを防ぐためにきちんと説明するのは大切です。でも、そこまで細かくしないといけないのなら、そもそも電話契約自体に無理があるのでは…?と思ってしまいます。対面でもマニュアル通りに進められると、人間味が感じられず、機械的に扱われているように思うことがあります。


イベントPRの現場でも、分厚い運営マニュアルが配られることがあります。全スタッフが内容を共有するためには必要なのかもしれませんが、読んでみると「こんなことまで書く?」と思うような、当たり前のことが並んでいることも。もはや「マニュアルを作ること自体が仕事になっているのでは…?」と思ってしまうこともあります。


確かに成果物としてマニュアルがあると「しっかり準備しました」というアピールにはなりますが、それが本当に意味のある仕事なのか、少し考えてしまいますね。

 

 
 

著者・橘川徳夫 プロフィール

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中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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