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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

~記者会見はいらない時代なのか?~



最近、芸能人の結婚のニュースは、本人のSNSから発信され、それがそのままニュースになるケースが増えてきました。一昔前であれば、週刊誌にスクープされ、記者会見を開いて正式に発表するという流れが一般的でしたが、今は本人がSNSやブログで発信し、それをメディアが取り上げる形が主流になりつつあります。

芸能人の場合であれば、たとえ詳しいエピソード(交際のきっかけやプロポーズの言葉など)が語られなくても、あくまで私人ですから、「本人の自由」として受け止めることができます。

 

しかし最近では、公人である大臣や議員までもが、SNSで発信して終わりというケースが増えているように感じます。

本来、記者会見という場は、単に一方的に発表するだけではなく、その内容に対して疑問があればその場で質問できるという大きな役割があります。

記者は「国民の代表」というと少し大げさかもしれませんが、少なくとも世間が知りたいことを代弁している存在です。そのため、本人が語った内容について、疑問点を掘り下げ、より理解しやすい形で伝えるという役割を担っています。

もちろん、最近ではスキャンダルを追及することに重きを置く記者もいるのは事実ですが、本来の記者会見の意義は、情報を深く理解させるための場にあります。

 

一方、SNSは自分の考えをダイレクトに伝えられるという大きなメリットがあります。特に、メディアが自分の意図通りに報じてくれないと感じている政治家にとっては、有効な手段でしょう。

実際、この流れは特にアメリカのトランプ大統領の発信スタイル以降、世界的に広がったとも言われています。

ただし、SNSはあくまで一方通行の情報発信です。その内容が正しいのかどうかをその場で検証する仕組みはありません。

さらに、受け手も自分の考えに近い情報だけを選んでしまいがちで、結果として情報が二極化しやすいという問題もあります。

 

本来であれば、メディアがその情報を検証し、メリット・デメリットや問題点を整理して伝えることで、国民はより正確に判断することができます。

しかし、最近のメディアを見ていると、有名人や政治家のSNS投稿をそのまま記事として掲載するケースも増えており、「それは本来のメディアの役割なのか?」と疑問を感じる場面もあります。

背景には、アクセス数を稼ぐために、コストをかけずに話題性のある情報を扱いたいという事情もあるのでしょう。それは理解できないわけではありませんが、それでもメディアとしての矜持は守ってほしいところです。

 

PRの観点から見ると、SNSによる直接発信は非常に強力な手段です。

ただし、それだけに頼るのではなく、第三者の視点を通じて情報を補完することが、信頼性を高める上で重要です。

SNSだけで完結する情報発信は、コントロールしやすい反面、疑問を残したままになりやすく、結果として不信感を生む可能性もあります。

 

昨今の政治家によるSNS発信の増加は、発信する側だけの問題ではなく、それを受け止めるメディア側にも課題があると感じます。

本来、

  • 正確な情報を精査して伝えるメディア

  • それを適切に活用する政治家 

この両方が機能してこそ、国民は正しい判断ができるはずです。

情報があふれる時代だからこそ、何をどう伝えるか、そしてどう受け取るかが、これまで以上に重要になっているのだと思います。

そうなると、記者会見の企画や運営を担うPR会社としては、「出番が減ってしまうのではないか」と少し心配になるのも正直なところです。

とはいえ、それも時代の流れなのかもしれません。SNSとメディア、それぞれの役割をうまく活かしながら、より良い情報発信の形が生まれることを期待したいと思います。

 
 

4月から、自転車にも交通反則通告制度、いわゆる「青切符」制度が導入されました。自転車通勤の増加や、スマートフォンを操作しながらの運転など、悪質な運転が社会問題化してきたことを受けての制度改正です。

私自身、街中で危険な自転車運転を目にすることもありますし、実際に危険を感じた経験もあるため、この制度そのものは必要なものだと思っています。

 

ただ一方で、自転車を運転している人が、どれだけ道路交通法を理解しているのかと言えば、かなり疑問を感じます。

自動車であれば、免許更新時に講習があり、道路交通法の改正点などを学ぶ機会があります。しかし、免許を持たない人は、ニュースなどで断片的に知る程度で、細かなルールまではなかなか理解できません。

そもそも、自転車は免許なしで誰でも乗れるため、「交通ルールを学ばなければならない」という意識自体が薄いのかもしれません。

となると、交通ルールを学ぶ機会は、小学校の交通安全教室くらいしかないことになります。

 

私は自動車も自転車も運転しますが、自動車を運転していると、本当に危険な自転車を多く見かけます。

  • 逆走 

  • 信号無視 

  • 傘差し運転 

  • スマホ操作運転 

などは、見ていてヒヤッとすることも少なくありません。

とはいえ、いざ自分が自転車に乗ると、信号無視まではしなくても、一時停止を完全に守れているかと言えば自信はありません。

恐らく、日本人の感覚として、自転車は「車両」というより、どこか「歩行者に近い存在」として認識されているのだと思います。

実際、自転車と歩行者が共用の信号もありますし、横断歩道で待っている自転車に対して、自動車が止まってくれることもあります。

そうした日常の感覚が、「自転車=歩行者寄り」という認識を強めているのでしょう。

 

本来、自転車は車道を走るのが原則ですが、日本の道路事情を考えると、「歩道を走った方が安全では?」と思う場面も少なくありません。

実際、自動車を運転していると、自転車は歩道を走ってほしいと思うこともありますし、自転車側から見ても、車道を走るのは怖いと感じることがあります。

つまり現在の道路環境は、法律上の理想と現実が完全には一致していない部分もあるのです。

 

今回の制度改正によって、自転車の危険運転に対する意識が高まったこと自体は、とても良いことだと思います。

過去を振り返っても、

  • オートバイのヘルメット着用 

  • 自動車のシートベルト 

などは、「違反になる」という認識が広がったことで、一気に定着しました。

そう考えると、「罰則を設けることで認知を広げる」というのは、PR手法として非常に効果的なのかもしれません。

ただその一方で、「罰を与える」というやり方は反発も生みやすく、特に今回のように免許を持たない人にも周知しなければならない制度では、もう少し丁寧な伝え方が必要だったようにも感じます。

 

今回の制度改正で最も重要なのは、「自転車は車両である」という認識を国民全体に持ってもらうことだと思います。

単に違反を取り締まるだけではなく、

  • なぜ危険なのか 

  • なぜルールが必要なのか 

  • どうすれば安全になるのか 

を、行政側がもっとわかりやすくPRしていく必要があるのではないでしょうか。

制度を作るだけでは人の意識は変わりません。だからこそ、ルールを社会に浸透させるための「伝え方」が、これからますます重要になってくるように感じます。

 
 

社長になってから、改めて感じたことがあります。

それは、新規企業の開拓や協力会社の探索、さらには異なる分野の人との関係づくりなど、これまで以上に「人とのつながり」が重要になったということです。

その影響もあってか、交流会へのお誘いも増えました。

もともと社長になる前から異業種交流会には何度も参加していましたが、そうした必要性もあり、「これは参加したほうがいいのではないか」と思う機会が増えたのも事実です。

そして実際に参加してみて感じたことが、今回の話です。

 

特にコロナ禍の時期は、人と会う機会が減ったこともあり、新規営業の必要性も感じて、さまざまな交流会に顔を出しました。

しかし、正直に言うと、これまで異業種交流会に参加して、新規案件につながったことは一度もありません。

それどころか、「もう少し詳しく話を聞かせてください」といった次のステップに進んだことすらほとんどありません。

もちろん、まったく意味がなかったわけではありません。相手のサービスを知り、自社の課題解決につながるものを導入したことは何度かあります。

 

そういう意味では無駄ではありませんが、「営業の場」として考えると、成果を実感したことはほぼありません。

これは私のPRが下手なのか、サービスがわかりにくいのか――

原因はいろいろあるとは思います。

 

一方で、異業種交流会に参加している方の多くは、“プッシュ型営業”の方が多い印象です。自分のサービスをどんどん売り込んでいくスタイルの方にとっては、新規開拓の場として非常に有効なのだと思います。

ただ、私にとっては、興味のない分野の話を一方的に聞かされる時間になってしまうこともあり、正直「これは何の時間なのだろう」と感じることも少なくありません。

 

そもそも「交流会」と言いながら、その場の目的が曖昧なことが多いように感じます。

「関係づくり」と言っても、営業したい人、買いたい人、人脈を広げたい人、経営者同士で話したい人――参加者の目的はバラバラです。

売りたい人ばかりが集まれば、当然ながら“買う人”がいない。

そうなれば、結局誰も満足しない場になってしまいます。

営業がうまくいかないと、「とにかく人に会えば何とかなる」と思う気持ちはよくわかります。私自身もそういう思いで参加したことはあります。

ただ、そういう場で出会った方と、長く続く関係になったことは、これまでほとんどありません。

 

そんな中、昨年ある経営者交流会に誘われて参加したところ、これが自分に合っていると感じ、今ではほぼ毎回参加しています。

この会は「営業は二の次」。経営者同士がフラットに話し、悩みを共有し、ヒントを得る場です。

同じ目線で話せることで距離も縮まり、自然と信頼関係も築ける。その結果として仕事につながるケースもあるようです(私はまだですが)。

さらに、この会はお酒を飲みながら交流するスタイルです。その点も、私にとっては居心地のよさにつながっているのかもしれません。

 

異業種交流会そのものを否定するつもりはありません。

ただ、「関係づくり」を掲げるのであれば、その関係が何を目的としたものなのかを、もう少し明確にする必要があるのではないでしょうか。

実際、参加者の多くは主催者に気を使って「よかったです」と言うものの、後から振り返ると「何だったのだろう」と感じている人も少なくないように思います。

コロナ禍も落ち着き、人と直接会う機会が戻ってきた今だからこそ、単なる名刺交換の場ではなく、本当に人間関係が築ける交流のあり方を考えるべき時期なのかもしれません。

 

個人的には、どうせ交流するなら、気の合う人と、ゆっくりお酒でも飲みながら話せる場が一番だな、と改めて思うのです。

 


 
 

著者・橘川徳夫 プロフィール

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中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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