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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

先日、ある光回線の会社から連絡があり、もともとそのサービスには不満が多かったため、解約しようとネットで連絡先を調べたところ、「解約はマイページから行ってください」とのこと。しかし、契約したのがかなり前だったためマイページの登録情報を覚えておらず、いざ登録を試みても「ユーザーIDまたはパスワードが間違っています」とエラーメッセージが出るばかりでした。


結局マイページにログインできず、WEBサイト内のFAQを見ても自分の状況に合う解決策は見つかりませんでした。そこで、直接連絡できる電話番号やメールアドレスを探しましたが、簡単には見つからず、仕方なく問い合わせフォームから連絡。後日、ネット上でようやく電話番号を発見しました。


最近、問い合わせ電話番号を明記していないWEBサイトが増えているように感じます。実際、今回もなんとか電話番号を見つけましたが、多くのサイトで電話問い合わせの方法を見つけるのが難しくなっているのは確かです。電話対応にはコストがかかり、結果的に料金が上がる可能性があるのは理解できます。それでも、WEBだけの対応では不便だと感じることも多いです。


例えば、無料サービスのFacebookやGoogleも電話での問い合わせは基本的に受け付けていません。これも仕方ない部分はあるのですが、設定変更などが必要なとき、WEBだけでは解決方法がわかりにくいと感じることがあります。


電話問い合わせの需要が減っているとはいえ、私は電話対応が基本だと思っています。その場で質問に答えてもらえることで、問題が早く解決することが多いからです。LINEやチャットでの問い合わせも便利ですが、回答にタイムラグがあると、再度質問を送らなければならないことがあり、かえって手間がかかることもあります。


以前、ブログのPR講座でお話しした通り、プレスリリースには電話番号を記載するのが必須だと考えています。記者からの質問にその場で答えることで新たな質問にも対応でき、結果的に後々のやり取りがスムーズになります。


もちろん、IT機器やサービスの問い合わせでは、説明が長くなりがちで待ち時間も増えるため、電話対応が必ずしも万能ではありません。AIを活用した問い合わせ対応が進化すれば、こうしたストレスが軽減されるのではないかと期待しています。

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前回までの2回にわたり、PRの効果を数値で評価する方法について考察しました。PRの効果を正確に数値化するのは難しいものの、だからといって評価をしなくてよいわけではありません。では、具体的にどのように数値評価をすればよいのでしょうか?


PR会社の立場からすると、テレビで紹介されたこと自体がクライアントに喜ばれるため、それだけで十分と思われることもあります。しかし、実際にはテレビで取り上げられたからといって必ずしも売上や業績に結びつくとは限りません。そのため、PR活動の効果を測るための明確な指標が必要になります。


私が推奨するのは、メディアPR単体で評価するのではなく、WEB広告と組み合わせて効果を測定する方法です。WEB広告はWEBサイトへの誘導を目的としているため、メディアPRを実施した際にクリック率が向上したり、コンバージョンが増加したりすることが期待できます。そこで、PRを実施していないときのデータと比較することで、その効果を数値的に検証することが可能になります。


さらに、WEB広告はターゲットを絞って配信されるため、PRによって記事で紹介した内容がターゲットの関心と一致すれば、より高い反応が得られる可能性があります。例えば、PR実施前後でWEBサイトのアクセス数が増加した、コンバージョン率が上がった、広告のクリック率が向上したなどのデータを比較することで、PRの影響を客観的に評価できます。


PRの効果を単独で測るのは難しく、売上への貢献度を明確にしたいという企業側の要望を考慮すると、何らかの基準を設けて評価することが重要です。特に、現代のマーケティングではWEBの活用が一般的になっており、数値データが可視化されやすいことから、WEBサイトの指標を活用するのが最も分かりやすい方法といえます。紙媒体やテレビは、それ単体では数値評価が難しいため、WEB上のアクセスデータやコンバージョンと組み合わせたPR評価が、現在のトレンドになってきています。


メディアPRの効果を数値で評価するのは簡単ではありませんが、WEB広告などのデジタルマーケティングと連携することで、より明確な評価が可能になります。最終的には、売上向上などの具体的な成果につなげていくことが重要です。

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1月27日にフジテレビで行われた記者会見について、前回は会見する側(フジテレビ)について考えを述べましたが、今回は出席したメディア(ジャーナリスト)について私の考えをお話ししたいと思います。


まず、会見中に怒鳴ったり、ヤジを飛ばしたり、フジテレビの出席者に対して一方的に不満をぶつける方がいたことが気になりました。記者会見は、会見する側と取材する側が対等な立場で成り立つものだと思います。会見する側は、メディアを通じて自分たちの考えを広く伝えてもらうために開きますし、取材する側は、その内容を読者や視聴者に伝えるために参加します。互いにメリットがあるからこそ成り立つ場であり、本来どちらかが優位に立つものではありません。


しかし、今回の会見では、一部の記者が上から目線で質問したり、納得できない回答に対して会見の進行を妨げたりする場面が見受けられました。確かに、フジテレビに落ち度があったことは間違いありませんが、記者会見の場は冷静な議論の場であるべきです。1回目の対応に不満をつのらせていた記者の中には「ようやく自分たちの主張が受け入れられた」「フジテレビが悪いのだから、当然こちらの言い分を聞くべきだ」という意識で臨んだ人もいたのかもしれません。


次に、記者会見は会見する側の話を聞く場であり、記者が自身の意見を述べる場ではありません。しかし、フリージャーナリストの中には、質問よりも自身の考えや意見を長々と述べる方が多く、その結果、会見時間が必要以上に長引いてしまいました。記者の役割は、的確な質問を通じて必要な情報を引き出し、それを記事や番組で視聴者に伝えることです。質問の意図を説明するために意見を述べるのは問題ありませんが、それが長くなりすぎると、他の記者の質問時間が削られてしまうことも考慮すべきでしょう。


さらに、記者会見の場は、ジャーナリストやYouTuberのパフォーマンスの場ではありません。今回の会見は注目度が高かったため、SNSでの注目を集めるために目立とうとする目的で参加した方もいたのではないでしょうか。実際、今回の会見は参加者の制限がなかったため、報道関係者であるかどうかを問わず出席できました。その結果、本来の報道目的とは異なる参加者が混じり、会見の進行に影響を与えた可能性があります。記者会見は報道を目的とした人々の場であり、それ以外の目的での参加は、取材を円滑に進めたい記者の妨げになるだけでなく、視聴者が必要とする情報を適切に伝えられなくなるリスクもあります。


今回の記者会見では、フジテレビだけでなく、取材する側であるジャーナリストにも厳しい批判が寄せられました。PR会社の立場から見ると、会見を開く側と取材する側は、お互いにとって有益な場であるべきです。私たちは、そのような記者会見の運営を目指して取り組んでいます。しかし、さまざまな事情が絡むため、双方が完全に納得できる会見を実現するのは簡単ではありません。それでも、最低限「誰にも迷惑をかけない記者会見」にすることが重要だと、今回の出来事を通じて改めて感じました。

 

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著者・橘川徳夫 プロフィール

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中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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