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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

【PRおじさんのぼやき】終活も就活も、伝えなきゃ伝わらない。~“しゅうかつ”の話をしていたら???


最近、私はふたつの新しい取り組みを始めました。ひとつは、「終活」に関するもの。もうひとつは「就活」に関するもの――と書いただけで、すでにややこしいですね(笑)。

まず、「終活」の方は、私が企画しているイベントで、落語を通じて終活を考えるきっかけをつくろうというもので、「笑福終活サロン」と名付けて、セミナー色をあまり出さず、気軽に参加できる形を目指しています。落語会の観客は比較的高齢の方が多く、終活との親和性はあるはず…と思いながらも、「落語が目当てなのに終活の話がついてくるのはちょっと…」と思われるのでは?という懸念もあり、集客はなかなか難しいのが実情です。

それでも、6月に実施した回では、参加人数こそ少なかったものの、内容には手応えがありました。何より、少子高齢化が進む今こそ、終活は避けて通れないテーマです。これまでの延長線上では通用しない、新しい家族のかたちや人生の締めくくり方が求められる中、楽しく、前向きに人生の後半を考える機会として、継続する価値があると感じています。そんな思いから、次回は8月23日、築地本願寺内のブディストホールで、林家つる子師匠をお招きして開催する予定です。


申込はこちらから https://05xy3.hp.peraichi.com/
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一方、「就活」の方は、大学生と企業をつなぐPR活動です。人材不足が深刻な今、多くの企業が新卒採用に苦戦しているという話を聞き、先日このコラムでもご紹介した「ジョブヨク」という大学生との交流イベントに参加したことがきっかけになりました。

実際に大学生と話してみて、企業の情報発信の難しさを実感しました。テレビや新聞ではなく、スマホとSNSが情報源になっている今、企業が従来の方法で情報を発信していても、学生には届いていないことが多いと思われます。名前を知られていない企業には、そもそも学生が近づいてこない――という現実があるのです。

また、入社後の早期離職が増えている背景には、学生とのミスマッチもあります。これは一方的な情報不足だけでなく、企業と学生のコミュニケーションの機会が圧倒的に足りていないことが大きいと感じました。PRや対話型イベントを通じて、互いをもっと理解し合える場をつくっていくことが、今後ますます重要になっていくでしょう。

 

で、この二つの「しゅうかつ」。終活と就活、それぞれ全然違う活動ですが、読み方は同じです。先日、電話で「終活」の話をしていたところ、相手は「就活」の話だと思い込んでいたらしく、なかなか話がかみ合わない…。説明してもズレ続け、「あれ?」と気づくまでに時間がかかりました。

私は両方の活動に関わっているので、それを知っている人は混乱しないのですが、片方しか知らない人にとっては、「しゅうかつ」と言われてもどっちの話なのか分かりにくいわけで、こうしたちょっとしたすれ違いに、あらためて言葉による説明の難しさと、日頃のコミュニケーションの大切さを痛感しました。

 

「しゅうかつ」が必要なのは、高齢者も、大学生も、そして企業も、形は違えど、人生の節目と真剣に向き合う活動であることには、共通点があるのかもしれません。

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著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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