【PRおじさんのぼやき】知ってるおじさんに、なぜまた説明?〜保険契約で考えたPRの話〜
- 徳夫 橘川
- 7 日前
- 読了時間: 3分
60歳で保険料の支払いが終わったため、生命保険の特約部分の保障がなくなりました。終身保障だけでは少し心もとないので、万が一に備えた死亡保障の保険に新たに加入することにしました。
保険共済やテレビCMで有名なネット保険などいろいろ検討しましたが、「医療保障はいらない」「最低限の死亡保障だけ」というニーズに合う保険は意外と見つかりません。そんな中、保険代理店をしている知人に、元保険営業だった私の希望を伝えたところ、ぴったりのプランを提示してもらい、スムーズに契約まで進みました。
うん、やっぱり分かってる人は話が早い!
実は、妻の医療保険の相談で、近所の保険ショップに行ったときにこんなことがありました。こちらは「あの保険に入りたい」と目的まで決めているのに、ショップの方はマニュアル通りの質問を延々と繰り出し、「保険に何を求めていますか?」「どんなことがご不安ですか?」……って、こっちが保険の説明してあげたいくらいだと思いました(笑)
もちろん、保険ってあとで「聞いてない!」というトラブルも多いので、丁寧な説明が必要なことはわかります。でも、知ってる人にまで、何もかもゼロから説明するというスタンスには、ちょっとモヤモヤするわけです。
これって実は、PRの話にも通じます。PRって、「ちゃんと説明したか」よりも「ちゃんと伝わったか」が大事なのです。知らない人には丁寧に、知ってる人には要点だけ──それが“伝える力”ってもんです。
にもかかわらず、最近は“誰にでも同じ説明をすること”がコンプライアンスの証、みたいな風潮になっています。でもそれって、逆に「相手のことをまったく見てないですよ」って宣言してるようなもんじゃないですか?
たとえばラーメン屋に行って、「麺は小麦粉でできています」って言われたらビックリしますよね?「知ってるわ!」ってツッコミ入れたくなります。
それと同じで、“わかってるおじさん”にも延々と説明してくる現代の制度は、ちょっとばかり窮屈です。
今回の保険加入で感じたのは、「伝えることは、相手の理解度を想像すること」ということです。これはPRの世界にもまるっと当てはまります。
「知らない人に何をどう伝えるか」と同じくらい、「知ってる人にどこまで省略して話すか」も大切な技術だと思います。
私たちPR業界の人間は、情報を届けるだけでなく、“どう届けるか”の工夫こそ問われているんだと思います。
ちなみに今回入った保険は、保障も保険料も想定以上に納得のいくものでした。
やっぱり“知ってる”というのは、強いですね!
そして、相手が何を知っているかを“察する力”が、今の時代のPRには求められているのかもしれません。

Comments