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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

【実践PR講座 その2】変化するAISASモデル~SNSの影響で検索行動に変化

更新日:9月26日

前回、インターネットの普及により、消費者の購買行動がAISAS(Attention(注意)→ Interest(興味)→ Search(検索)→ Action(行動)→ Share(共有))というステップを踏むようになったことをお話ししました。今回は、このAISASモデルが単純には説明できないほど、より複雑化してきたことについてお話しします。



AISASモデルが複雑化した理由として、以下のポイントが挙げられます。


1. 多様な情報源の増加

消費者が情報を得る手段が増え、ただ「検索」するだけではなく、SNS、動画プラットフォーム、オンラインコミュニティ、インフルエンサーの発信など、さまざまなチャネルから情報を収集するようになっています。これにより、AISASモデルの「Search(検索)」が複雑化し、より多様な情報源を考慮する必要が出てきました。


2. 消費者のカスタマージャーニーの多様化

消費者が情報を収集して行動に移すプロセスは、以前よりも多様化しています。例えば、ある消費者はSNSで商品に興味を持ち、そのまま購入に至るかもしれません。一方、別の消費者は検索を通じて複数の情報を比較し、口コミやレビューを参考にするなど、より複雑なプロセスを経ることがあります。これにより、モデル内の各段階が細分化され、複数のパターンが想定されるようになっています。


3. 双方向のコミュニケーションの重要性

企業から消費者への一方的な情報発信ではなく、消費者同士のコミュニケーションや、企業と消費者の双方向コミュニケーションが重要になっています。この結果、消費者がどの段階で情報を共有し、その共有が他の消費者の行動にどう影響するかが、より複雑に絡み合っています。


4. 購買行動後の重要性の増加

消費者が商品を購入した後、その満足度が次の「Share(共有)」に大きく影響するだけでなく、再購入やリピート購入にもつながります。そのため、「Action(行動)」後のフェーズがこれまで以上に重要視されるようになりました。これは、消費者が同じブランドや製品を長期間にわたって支持するための戦略が、より複雑化していることを意味します。

 

このように、消費者行動の多様化と、それに伴う情報収集や購買プロセスの複雑化により、AISASモデルもまた、より柔軟かつ多面的に理解する必要が出てきています。企業はこの複雑化したモデルを理解し、各段階で適切なアプローチを取ることで、より効果的なマーケティング戦略を構築することが求められています。

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著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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