前回の記事で、PRの効果を数値で評価することの難しさについてお話ししました。今回は、PR効果を測る一つの手法として使われる 広告換算値について説明します。
広告換算値とは、記事掲載や放送された内容を広告に置き換えた場合、その広告費用がどの程度かを算出し、PR活動の評価に利用する手法です。新聞や雑誌の記事なら、記事の大きさ(スペース)をもとに広告単価を掛け合わせて金額を算出します。
例えば、雑誌で半ページ紹介されたとします。その雑誌の1ページの広告掲載料が100万円であれば、100万×0.5=50万円 これが広告換算金額になります。
テレビでは、15秒のスポット広告料金を基準に計算します。
例えば、情報番組で1分間の紹介された場合、・15秒スポット広告が1本50万円であれば、50万×4本=200万円 これが広告換算金額となります。
ラジオも同様に、スポット広告料金を基準に広告換算金額を算出できます。
広告料金は、そのメディアの影響力によって決まります。たとえば、読者数が多い雑誌や新聞、視聴率が高いテレビ番組は広告料金が高く設定されており、広告換算金額が高いほど多くの人に情報が伝わった可能性があると推測できます。
広告換算値は、パブリシティ記事が広告換算でどれだけの価値を持つかを示す目安として有用です。しかし、以下の理由から、この方法に頼りすぎるのは危険です。
<広告とパブリシティの違い>
広告は企業が伝えたい内容を自ら発信するもので、パブリシティ記事は第三者であるメディアが発信します。メディアが発信する内容は信頼性が高く、情報が補足されることで、より分かりやすく伝わります。そのため、広告よりも効果が高いとされています。
<継続評価のリスク>
テレビで紹介された場合、広告換算金額が高くなりやすいため、他のメディアで取り上げられても効果が低いと評価される可能性があります。しかし、新聞や雑誌で紹介された記事がWEBやSNSで拡散され、大きな影響を与えることもあります。
広告換算値を評価基準とする場合は、メディアごとの特性を考慮する必要があります。特にテレビは視聴者数が多い分、広告料金も高額になりがちです。また、金額に惑わされず、PRの総合的な効果を見極めたり、SNSやWEBでの拡散効果など、他の影響要素も考慮する必要もあるでしょう。広告換算値は便利な指標ですが、それだけに頼らず、メディアの特性やPRの目標に応じて柔軟に評価する必要があります。
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