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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

9月12日に自民党の総裁選が公示され、9名の候補者が名乗りを上げました。そして、27日の投票日を経て新しい総裁が誕生する予定です。同時に、立憲民主党でも代表選が行われており、本日投票が行われて新しい代表が選出されます。


日本を代表する二大政党のリーダー選びにもかかわらず、注目が集まっているのは自民党の総裁選です。これは、やはり自民党総裁がそのまま総理大臣になる可能性が高いからでしょう。


メディアも、国民の関心が高い自民党の総裁選を中心に報道する傾向があります。この状況には立憲民主党側にも課題があるかもしれませんが、現在の政治状況では与党と野党の立場の違いが反映されていると言えそうです。


私自身には総裁選にも代表選にも投票権はありませんが、選ばれたリーダーが誰になるのかはとても気になるところです。報道を見ながら結果を待つしかない状況ですが、選挙戦を見ていると、メディア戦略が大きな影響を与えていることは明らかです。候補者たちは記者会見を行い、メディアに積極的に情報を発信しています。これは、党員だけでなく、広く国民にメッセージを伝えるための重要な手段となっています。


なぜ党員しか投票できない総裁選や代表選で、ここまでメディアを活用するのでしょうか?私なりの考えでは、やはりメディアを通じた発信が最も効果的だからでしょう。国政選挙とは異なり、総裁選や代表選では公職選挙法の制約がなく、テレビや新聞が候補者の主張を積極的に取り上げてくれるため、国民全体にメッセージが届きやすいのです。


ここで重要なのが、メディアを通じたイメージ戦略です。テレビ討論での振る舞いや、発言のスムーズさは候補者の印象を大きく左右します。良い印象を与え、総裁や代表にふさわしい人物であることをアピールするためには、政策をわかりやすく説明することが求められますが、限られた時間で全てを伝えるのは難しいものです。また、テレビ番組ではキャスターなどから意地の悪い質問をされ、自分の主張が思う通りに伝えられないということもあると思います。


政策論争よりもイメージ重視になりがちな現状には、メディアの影響も少なくありません。特に自民党の総裁選では、派閥の動向や支持者数が注目され、政策自体が埋もれてしまうことが多いです。もちろん、国民もそうした情報を求めているのかもしれませんが、やはりリーダー選びには政策論争が不可欠です。


今日、立憲民主党の新しい代表が決まり、27日には自民党の新総裁が選ばれます。新たに選ばれるリーダーたちには、イメージ戦略にとどまらず、日本の未来を真剣に考えた政策論争を展開してほしいものです。

 

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これまでPRに関する基本的な考え方、内容、方法などをお話してきましたが、今回からは実際のPRに関する問題点を解説し、より実践的なPRを実現するためのポイントをお話ししていきます。


PRをするということは、すなわち消費者に商品やサービスを知ってもらうことにするわけですが、最終的にはそれを購入してもらうことが大半の企業の目的になると思います。


そこで、消費者はどういう経緯で商品やサービスを購入するかを知っておく必要があります。


消費者の購買行動を理解するために、多くのマーケターが参考にしてきたモデルの一つが「AIDMA」です。AIDMAは、Attention(注意)→ Interest(興味)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)の5段階で構成されており、特にテレビや雑誌などのマスメディアを介した広告が主流だった時代に広く活用されました。



しかし、インターネットとスマートフォンの普及により、消費者の情報収集や購買行動が大きく変わりました。ここで登場したのが「AISAS」という新しいモデルです。


AISASは、Attention(注意)→ Interest(興味)→ Search(検索)→ Action(行動)→ Share(共有)の5つのステップで構成されています。AIDMAとの大きな違いは、「検索」と「共有」というプロセスが追加された点です。





例えば、ある商品に興味を持った消費者は、まずその商品についてインターネットで調べます(Search)。そして、購入後にその体験や意見をSNSなどでシェアすることが一般的になっています(Share)。これにより、他の消費者がそのシェアされた情報を元に購買を検討するという、循環的なプロセスが生まれています。


AISASのモデルは、インターネットの普及によって消費者が自ら情報を探し、購買後に情報を発信するという新しい行動様式を反映しています。これにより、企業のマーケティング戦略も、単に商品の魅力を伝えるだけでなく、消費者が情報を検索しやすい環境を整え、さらにシェアしたくなるような体験を提供することが重要になっています。


この変化を理解することで、現代の消費者行動に即した効果的なマーケティング戦略を立てることが可能になります。


しかしながら、このAISASモデルもインターネットがさらに高度化する中で変化してきています。次回はそれについてお話ししたいと思います。

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パラリンピックが9月8日に閉幕しました。日本は金メダル14個、銀メダル10個、銅メダル17個の計41個のメダルを獲得しました。オリンピックのメダル数と比べると若干少ないですが、大健闘と言っていいと思います。また、障がいを持つ選手たちが見せる努力とその成果には、心からの敬意を感じます。


しかし、これほど多くのメダルを獲得したにもかかわらず、オリンピックほど話題にならないのは、メディアの報道量が少ないことが一因かもしれません。オリンピックではメダリストが生まれると、朝のワイドショーやニュースで何度も取り上げられ、選手へのインタビューも各局で行われます。一方、パラリンピックのメダリストも紹介はされるものの、その扱いはオリンピックと比べて控えめです。


実を言うと、私自身も今回のパラリンピックの競技を観戦しませんでした。選手たちが障がいを乗り越え、トップを目指して努力する姿には心から敬意を抱いていますが、どうしても競技そのものに感情移入しにくいと感じています。オリンピック競技は、自分が経験したことのあるスポーツであれば、そのすごさを理解できますが、パラリンピックの競技は、自分が経験したことのない世界だからこそ、その凄さを実感するのが難しいと感じます。たとえ同じ障がいの状態を一時的に体験したとしても、その状況で競技を続けるわけではないので、頭では理解していても、その努力の大きさを実感するのは難しいのかもしれません。


障がい者スポーツやパラリンピックに対する関心が高まらないのは、私たちが無意識のうちにこれらを「別物」として捉えているからかもしれません。「かわいそう」「大変なのに頑張っている」といった視点で捉えてしまい、障がい者に対する寄り添った理解がまだ十分ではないのかもしれません。


そのため、メディアにはパラスポーツを理解しやすく、共感できる形で伝える努力が求められていると思います。しかし現状では、障がいをどのように克服したか、家族や知人の支えといった、感動を誘うエピソードに焦点が当たりがちです。これからは、一般の人々が障がい者スポーツを楽しめるものだと感じられるような報道が必要だと感じます。


パラリンピックへの関心が低い理由として、「人々が関心を持たないからメディアが報道しないのか、それともメディアが報道しないから関心が持たれないのか」という議論はありますが、これでは今後も状況は変わらないでしょう。


そこで、新しい視点からのPR戦略が求められると思います。パラアスリート本人やその関係者、メディア、そして障がい者競技以外のスポーツ団体が一体となって、パラスポーツの普及に努めてほしいと期待しています。


もしこの内容が不快に感じられた方がいらっしゃれば、それは私の認識不足によるものです。深くお詫び申し上げます。

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著者・橘川徳夫 プロフィール

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中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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