top of page

無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

前回、メディアに取り上げられるためのプレスリリースの3つの要素(「新しいこと」「おもしろいこと」「役立つこと」が必要とお話ししましたが、今回はその中で「新しいこと」についてお話します。


メディアに取り上げられることをニュース性があると我々は言っていますが、まさに「新しいこと」はニュース性があるということになります。


「新しいこと」をそのまま新しいということでとらえると新商品など新しく作ったもの以外は、PRできないということになってしまいます。そこで、新しく開発したものでどこにもまだないものであれば、新しいということは、「初めてもの」という解釈も当てはめることができます。


例えば、私の会社でおこなっている展覧会のPRでは、「日本初公開の作品」は、メディアに取りあげてもらいやすいです。これは、海外では観られてきたが、日本では観られなかったので、日本国内では「新しい」ということになるわけです。

「〇〇初」というのは、メディアが好むものなので、そういう要素があれば、必ず記載した方がいいでしょう。


ただし、メディアからは当然それが初めてなのは本当かを尋ねてきますので、論理的に実証する必要があります。ネットで検索したらもうすでにあったなどよくある話ですし、リリースを出してそれがわかった場合、信用を失うことになりますので、「〇〇初」を使ってPRを進める場合は、その調査は十分に行う必要があります。


新しいとは少しニュアンスは違いますが、同じように実証できれば、大きなPRの成功する要因の一つに「一番」というのがあります。


「一番大きい」とか「日本最大」などは、数字がはっきりすれば、そこをPRのポイントとしてリリースを作成すれば、効果があると思います。微妙なのは、「一番人気」とか「一番売れている」などは、その根拠となる数字がどのように導き出されたかを伝えなければなりません。


「高校生で一番人気」とした場合、それは全国の高校生全員に聞いたのであれば、間違いないですが、ネット上でのアンケートであれば、その真偽はわからないと思われるかもしれません。


「この店で一番売れている」というのは、データとしては間違いないのですが、この店がどのような店なのか、例えば、全国で一番売れているケーキ屋とかであれば、ニュース性になるかもしれませんが、街によくあるケーキ屋では、地域の情報としてはニュース性はあるかもしれませんが、全国的なものとしてのニュース性は弱いのは当たり前のことと認識できると思います。


次回は、3つの要素の「おもしろいこと」についてお話します。

閲覧数:0回0件のコメント

私がPRの仕事を始めた21世紀初頭は、テレビが最も影響力のある媒体でした。でも今は違います。インターネットの時代が進み、WEBニュースも力を増してきています。


最近、PRの相談でよく聞くのが「Yahoo!ニュースに載せてほしい」という話です。でも実は、Yahoo!Japanには独自の取材部署がありません。したがって、プレスリリースを送る先が存在しません。Yahoo!ニュースでは、他のweb情報サイトから寄せられた情報を使っているわけです。


その情報を使っているWebサイトは、こちらに一覧化されています。


だから、Yahoo!ニュースに載せたいなら、まずはそのWebサイトに記事を載せてもらう必要があるのです。ですから、わたしたちがPRをお手伝いする際も、その転載元のWebサイトに取り上げてもらう活動をするしかありません。なんともまどろっこしいのですが、これが現実です(苦笑)。


ただ、そのWebサイトで記事が掲載されたからといっても、必ずしもYahoo!ニュースにその記事が転載されるとは限りません。どのような基準で選ばれるのか、外部には明らかにされていないのです。ですがおそらくYahoo!Japanユーザーの興味を引く内容が選ばれているはずです。


運良くYahoo!Japanのトップページに記事の見出しが載れば、爆発的にページビューが伸び、それが企業や団体の絶大なPRにつながるケースもあります。ただ、やはりトップページに採用される基準も明らかにされていません。恐らく、アクセス数などが関係あるのではないかと思われますが……。


また、トップページに表示されている期間は一瞬です。「Yahooで紹介されたよ」と知り合いに教えたくなったら、すぐにスクリーンショットを撮っておいてください。でないと、次に見たときにはもう見出しのリンクが別のものに変わってしまっていることもあるからです。


Yahoo!ニュースのトップページに掲載された実績は、PR会社にも大きな成果ですが、その反面、様々な方面に連絡したり、事実確認を行ったりと忙しくなることもあります。


だから、PRを依頼する際は、Yahoo!ニュースのトップページに掲載されることを最終目的とするのではなく、あくまで通常の広報活動が充実させることに心血を注いだほうが良いでしょう。PRが順調に推移した結果、運良くYahoo!ニュースでも取り上げられたら最高ですね。

 

閲覧数:2回0件のコメント

前回、メディアにプレスリリースを送ることがパブリシティ活動であると話しました。しかしながら、いくらリリースをメディアに送っても紹介してもらえるわけではありません。


メディアに取り上げられるためには、どのようにプレスリリースを作成すれば、いいのでしょうか?

 

プレスリリースを作成する場合、3つの要素が含まれていれば、メディアに取り上げられる可能性が高くなります。それは、「新しいこと」、「おもしろいこと」、「役に立つこと」です。この3つの要素がすべてそろっていれば、ほぼPRは成功するといえるでしょう。


例えば、AIを駆使した無人自動車が新発売されるというリリースを配信するとします。これまでAIの無人自動車はこの世に存在しないのであれば、「新しいもの」になります。また、AIが自動車を運転できるということはSF映画のようなので「おもしろいもの」です。そして、自動運転が実現すれば、高齢者による事故の軽減や身体障碍者のような運転ができなかった人でも自動車を持つことが可能になり、「役に立つもの」になります。

 

ただし、現実的にはこのように3つの要素がすべてそろうことは、ほとんどありません。したがって、3つの内1つでも当てはまるのであれば、メディアPRを実施してみるのも一つの方策になりえます。


無料でメディアに取り上げられるわけですからその効果は高いので、PR策を考えるときに広告を行う前にこの商品はメディアPRに向いているか考えてみる必要はあると思います。


実際のマーケティングでは、PRと広告を連動させるような方策が使われることが多いですが、費用が限られている場合は、メディアPRを検討してみることは重要と思います。


次回から、この3つの要素それぞれについて解説していきます。

閲覧数:1回0件のコメント

著者・橘川徳夫 プロフィール

顔写真 (2).jpg

中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

bottom of page