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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~


気がつけば、世の中はすでに仕事納め。街はすっかり年末モードですが、なぜか私は本日30日も出勤しています。

とはいえ、決して社員を巻き込んでいるわけではありません。社員は全員、きちんと年末年始休暇を取得しています。

この時期に出てきているのは、社長である私にしかできない仕事が残っているからです。

それにしても、年を重ねるごとに一年があっという間に過ぎていく気がします。ついこの前、「今年も始まったな」と思っていたはずなのに、気づけばもう今年も終わり。カレンダーを見て毎年同じことを言っているような気がします。

 

以前、NHKの「チコちゃんに叱られる!」で「大人になるとあっという間に時間が過ぎるのは、トキメキがなくなったから」と紹介していましたが、なるほど、と妙に納得してしまいました。

確かに最近は、ときめくことよりも心配事のほうが先に浮かびます。日々の仕事に追われ、「今日も一日が終わった」と思う間もなく、次の予定、次の課題が目の前にやってくることばかりなので、楽しみよりも「やらなきゃいけないこと」が増えているのは間違いありません。 

それに加えて、年齢のせいか、失敗をあとから思い出して後悔することも増えました。「ああしておけばよかった」「あの時、別の選択もあったな」など、振り返っても仕方のないことを、つい考えてしまいます。

だからこそ、来年こそは、後悔しそうなことはできるだけ減らして、少しでも「ときめく」と感じられる仕事や出来事を増やしていきたいと思っています。忙しさに流されるだけでなく、「これは面白い」「これはやってみたい」と思える時間を、意識してつくりたいものです。

……とはいえ、実際にできるかどうかは、正直なところ自信がありません。毎年、同じようなことを言っている気もしますしね。

 

「あっという間だったけれど、いろいろあった一年だったな」と、反省などを込めて最後のブログを書いています。

今年もこのブログを読んでくださった皆さま、仕事で関わってくださった方々、支えてくれた社員、そして家族に、あらためて感謝の気持ちを伝えたいと思います。

思うようにいかないことも多い一年でしたが、それでも続けてこられたのは、周りの方々のおかげです。

今年も本当にありがとうございました。

 


 
 

~いま日本のメディアに欠けている視点~


このブログでも、これまで何度か「政治と報道」について触れてきました。参議院議員選挙での野党過半数割れ、高市内閣誕生までの流れを見ていて、近年の政治報道に対し、どうしても“違和感”を覚える場面が増えています。

もちろん、政治に対してメディアが監視役として機能することは民主主義の根幹です。政権の暴走を防ぎ、政策の問題点を指摘し、国民が政治判断をする材料を提供する――これは本来のメディアの役割です。

しかし、最近の報道を見ていると、チェック機能を果たすはずが、「ひたすら批判を積み重ねるだけ」という印象が強まり、結果として何が正しい方向なのか、視聴者に何も残らないケースが増えているように感じるのです。

 

物価高対策が今論議されていますが、給付金を出すのか、減税なのか、財源はどうするのか?どの政策にも必ず「副作用」があります。だからこそ政治は“決断”が求められます。

しかし、日本のメディアは

  • 給付金 → 財源が不明

  • 減税 → 財政悪化

  • 国債増発 → 円安を招く

  • 規制強化 → 経済停滞


    というように、どの政策を出しても即座に批判するだけになりがちです。

これでは、「結局どうするのが良いのか」が全く見えてこないため、国民が混乱するのも無理はありません。

 

欧米のメディアには、保守寄り・リベラル寄りなど立場が明確な報道機関があります。そのため、どのメディアを読めばどの立場の意見なのかが分かり、国民は自ら判断材料を選べます。

一方、日本の大手メディアは、「中立」を掲げながら、実際には批判が中心という曖昧な立場にあります。

SNS時代には極端な意見が支持されやすく、オールドメディアが慎重になればなるほど「何を伝えたいのか分からない報道」になってしまいがちです。その結果、若者のテレビ離れ・新聞離れがさらに進むという、悪循環が生まれているのです。

 

PRの世界では、相手が「行動しやすくなる情報」を提供することがもっとも大切と考えられています。

政治報道も同じで、

  • この政策にはこういうメリットがある

  • 一方でこうした課題も存在する

  • では何が現実的な選択肢なのか?


    という“整理”こそが本来必要なはずです。

批判だけでは視聴者も読者も判断できません。賛否を含めて「どういう未来を描けるのか」を提示することで、初めてPRとしての価値が生まれます。

 

今の若い世代はテレビも新聞も見ません。SNSや動画で情報を得ています。その中で従来のように「批判中心の報道」を続けても、心に響くはずがありません。

メディアも、政治家も、そして私たちPRの現場も、“何を批判するか”ではなく、“何を提案できるか”へ視点を移す必要があります。

その変化こそが、政治への関心を取り戻し、国民の判断力を高める道だと感じています。

 
 

 ~信頼関係は「距離感」と「日常の対応」で決まる~


PR活動を進めるうえで、メディアとうまく付き合うことは欠かせない要素です。理想は「記者と信頼関係を築くこと」ですが、これは簡単なようで実は非常に難しいテーマでもあります。

今日は、私自身の経験も交えながら「メディアとの関係構築」についてお話ししたいと思います。

 

取材を受ける側からすると、実際に会うのは取材に来た“1人の記者”です。そのため、「この記者はうちに興味を持ってくれている」と考えてしまうことがあります。

しかし、記者側の立場から見れば、あなたは“数多く取材した相手のうちの1人”にすぎません。担当分野だけでも、毎月何十人と会うことがあるため、特定の企業や個人だけを特別視することはほとんどありません。

だからといって、せっかく接点ができた記者との関係を途切れさせてしまうのは非常にもったいないことです。

継続的に関係をつくる努力は必要になります。

 

かつてはメディア黎明期の名残で、飲食接待や贈り物などを通じて記者と関係をつくる企業もありました。しかし今は、コンプライアンスの観点からも得策ではありません。

現代のPRでは、「正攻法の情報提供”と“日常的なコミュニケーション」という地道な方法が最も有効であり、記者もそれを求めています。

 

PR会社であれば、複数のクライアントや多様な業界の情報を持っているため、定期的に記者へリリースを送ることで、自然と関係を維持することができます。

しかし一般企業の場合、

  • 毎月リリースを出せるほどネタがない

  • 無理にリリースを量産すると企業イメージを下げる

という課題が生まれます。

「目を引かない情報」を頻繁に送ることは逆効果になりかねません。だからといって何もしないと関係も築けません。ここに企業PRの難しさがあります。

 

私の経験から言えるアプローチ方法は、まずは、「業界紙の記者」に相談することです。

全国紙や大手テレビ局の記者は、

  • よほどニュース価値のある“お土産情報”

  • 独自性の高いスクープ性のある話

がなければ、なかなかしっかり話を聞いてくれません。

一方、業界紙や地方紙の記者は、

  • 業界知識が豊富

  • 業界内の情報ニーズが高い

  • 情報交換に前向き

という特徴があります。


業界紙の記者と会うことができれば、

  • 情報交換を通じて信頼が生まれる

  • PR戦略のアドバイスを得られる

  • 記者仲間を紹介してもらえる可能性がある

と、非常に多くのメリットが得られます。

ここから徐々に、メディアネットワークを広げていくことが可能になります。

 

ただし、記者と仲良くなることはメリットがある一方、距離が近すぎるのはデメリットにもなります。

記者会見などで他社の記者から「先に情報を渡しているのではないか?」と疑われるような関係性は、かえってマイナスになります。

PRは公正さと透明性が求められる仕事です。適度な距離を保ちながら信頼関係を築くことが大切です。

 

最後に最も重要なことを一つ。

記者対応で一番大事なのは、特別なテクニックではなく“丁寧さ”です。

  • 記者会見での説明

  • 取材申込みへの対応

  • 問い合わせへの返答

これらを誠実に対応することが、何よりも記者の信頼につながります。

特別扱いは必要ありません。社会人として当たり前の行動をきちんと積み重ねることがメディアとの信頼関係構築の一番の近道です。

 
 

著者・橘川徳夫 プロフィール

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中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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