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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

最近、自分はあまり「負けず嫌い」ではないのだな、と改めて思うようになりました。

もちろん、負けるのが好きなわけではありません。

でも、若い頃から勝負に負けても「仕方ないか」と思ってしまうことが多く、「何が何でも勝ちたい」というタイプではありませんでした。

 

仕事でもそうです。

営業成績が思うように伸びなかったときも、「悔しい」というより、「今回は縁がなかったのだろう」と切り替えてしまうことが多かったように思います。

一方で、営業成績のいい人を見ると、自信家で負けず嫌いな人が多い印象があります。

スポーツ選手も同じでしょう。

プロとして第一線で活躍する人ほど、「負けるのが嫌い」という気持ちは強いはずです。

そう考えると、「営業ができる人」と「負けず嫌い」は、多少なりとも関係があるのかもしれません。

 

そんな私ですが、年齢を重ねるにつれて少し変化もありました。応援しているチームが負けると、以前より悔しく感じるようになったのです。

中日ドラゴンズが負けている試合は、最後まで見る気がしません。逆転されようものなら、「今日はもういいかな」とテレビのチャンネルを変えてしまいます。

サッカーでも駅伝でも同じです。

日本代表やオリンピックは別ですが、応援するチームが負け始めると、あきらめるのが早くなった気がします。

 

年齢のせいなのか、それとも昔からの性格なのか、自分でもよくわかりません。

一時は、「経営者なのに負けず嫌いじゃなくて大丈夫なのだろうか」と考えたこともありました。

でも最近は、これも一つの性格なのだと思うようになりました。

負けるたびに落ち込んで引きずるより、「次に頑張ろう」と切り替えられるのも悪くありません。

そして、この性格で一番よかったと思うことがあります。

それは、ギャンブルにのめり込まなかったことです。

競馬も一時期はやりました。でも、「結局、勝ち続けるのは難しい」という結論に達し、気が付けばもう10年以上馬券を買っていません。

パチンコも、騒がしい店内とたばこの煙が苦手で、自然と足が遠のきました。

大学時代は麻雀もよくやりました。ゲームとしての面白さはありましたが、「勝つこと」よりも友人とワイワイ話しながら打つ時間のほうが楽しかったように思います。

だから、ギャンブルに夢中になることもありませんでした。

 

そう考えると、負けず嫌いではない性格も、悪いことばかりではありません。

経営にも、時には勝負が必要な場面があります。

でも、中小企業の経営は、一発逆転を狙うギャンブルではありません。

コツコツ積み重ね、少しずつ前へ進んでいくことのほうが大切です。

だから私は、これからも派手な勝負より、堅実な経営を選びたいと思っています。

 

とはいえ、中日ドラゴンズには、もう少し勝ってほしいものです。

負け試合を最後まで見て、嫌な気分のまま一日を終えるより、やっぱり勝って気分よく一日を締めくくりたいですから。

おじさんのささやかな願いです。



 
 

~コンサルタント業界のPRの難しさから考える~


先日、広告代理店や企業の担当者向けにPRに関するWEBセミナーを実施しました。

その後、参加者の方から「コンサルタント会社のPRをしたいのだが、どのような方法があるだろうか」という相談を受けました。

そこで改めて考えてみたのですが、コンサルタント業界はPRが比較的難しい業種の一つだと思います。

PRの仕事をしていると、「どんな業種でもPRできますか?」という質問を受けることがあります。

私の答えは、「PRできない業種はないが、PRしやすい業種と難しい業種はある」です。

その代表例の一つがコンサルタント業界です。

PRの仕事をしていると、「どんな業種でもPRできますか?」という質問を受けることがあります。

私の答えは、「PRできない業種はないが、PRしやすい業種と難しい業種はある」です。

その代表例がコンサルタント業界です。

コンサルタントの仕事は、顧客企業に助言や支援を行い、その成果を出すことです。しかし、その成果は最終的に顧客企業の成果として認識されます。

例えば、

  • 売上が伸びた 

  • 新規事業が成功した 

  • 業務改善が実現した 

という結果が出ても、評価されるのは顧客企業です。

コンサルタントがどれだけ貢献したかは外から見えにくいため、メディアにとっても取り上げにくいテーマになります。

これはコンサルタント業界だけではありません。

保険代理店、販売代理店、仲介業なども同じです。

これらの業種は商品やサービスを自ら作っているわけではなく、成果が他社の商品や顧客企業に帰属するため、自社の価値を伝えることが難しいのです。

また、メディアは限られた紙面や放送時間の中で情報を伝えなければなりません。

そのため、

  • わかりやすい 

  • 写真や映像になる 

  • 一般の人にも関係がある 

という要素を持つ話題を優先する傾向があります。

コンサルティングや代理店業務は重要な仕事ですが、一般の人からすると内容が見えにくく、ニュースとして扱いづらいのです。

しかし、だからといってPRができないわけではありません。

重要なのは、自社のサービスを主語にするのではなく、社会課題や業界課題を主語にすることです。

例えば、

  • 人手不足 

  • DX推進 

  • 事業承継 

  • 物流問題 

  • 働き方改革 

といったテーマで情報発信を行えば、メディアの関心を集めやすくなります。

その中で、「その課題解決を支援している専門家」として自社を位置づけることでPRの可能性は広がります。

PRが難しい業種ほど、自社目線ではなく社会目線で考えることが重要なのです。

次回は反対に、PRしやすい業種や内容にはどのような特徴があるのかについてお話ししたいと思います。

 
 

ご承知かもしれませんが、ウインダムの主力事業は、美術展のPRです。

そのため、「美術展のPRをしている会社だから、社長も美術に詳しいのでしょう」と思われることがよくあります。

しかし、はっきり言えば、私は子どもの頃から絵を描くことが苦手でした。美術の成績が特別良かった記憶もありませんし、高校では美術ではなく音楽を選択しました。

もちろん絵も上手ではありません。ちなみに、このブログに掲載しているイラストはAIで作成したもので、私の画力とは全く関係ありません(笑)。


とはいえ、美術展のPRに携わって20年近くになりますので、一般の方よりは美術の知識が身についていると思います。

仕事を通じて書籍を読んだり、学芸員の先生方のお話を伺ったりしていれば、それなりに知識が増えるのは当然です。


その一方で、美術館との打ち合わせや、PRの提案に伺った際には、「美術に詳しい人」と思われ、作品や作家について質問を受けることも少なくありません。

そんな時は、多少知ったかぶりをしたり、うまく話題を変えたりしながら乗り切ることもありますが、内心は冷や汗ものです。


「それなら学芸員の資格を取ればいいのでは」と思われるかもしれません。

実際、美術館には企業から異動してきた後に学芸員資格を取得した方も多くいらっしゃいますし、大学で資格を取得して就職された方もたくさんいます。

もちろん、会社の中にそうした専門知識を持つ人がいることは非常に心強いことです。


しかし、私は自分自身が学芸員資格を取得する必要は、それほど感じていません。

なぜなら、美術館は、美術に詳しい人だけに来てもらいたい場所ではないからです。

絵画や彫刻、工芸品などの魅力を、これまで美術に興味がなかった人にも知ってもらいたい。そのために展覧会が開催され、その橋渡しをするのがPRの役割だと思っています。

だからこそ、「美術がよくわからない」という人が、どこで興味を持ち、何につまずくのかを理解できることも、PRでは大切な視点になります。

専門家とは違う立場だからこそ、「どう伝えれば興味を持ってもらえるのか」「どんな切り口なら美術館へ足を運びたくなるのか」を考えることができます。

それは、美術展に限らず、PR全般に言えることかもしれません。


PRとは、知らないことを知ってもらい、新たな気づきを与える仕事です。

だからこそ、最初から何でも知っている必要はありません。

むしろ、「知らない人」の気持ちがわかることは、大きな強みになるのだと思います。

……とはいえ、「それは勉強したくない言い訳では?」と言われると、反論できない部分もあります(笑)。

それでも、専門家ではないからこそできるPRがあることだけは、ぜひ知っていただければうれしく思います。


 
 

著者・橘川徳夫 プロフィール

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中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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