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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~


ご承知かもしれませんが、ウインダムの主力事業は、美術展のPRです。

そのため、「美術展のPRをしている会社だから、社長も美術に詳しいのでしょう」と思われることがよくあります。

しかし、はっきり言えば、私は子どもの頃から絵を描くことが苦手でした。美術の成績が特別良かった記憶もありませんし、高校では美術ではなく音楽を選択しました。

もちろん絵も上手ではありません。ちなみに、このブログに掲載しているイラストはAIで作成したもので、私の画力とは全く関係ありません(笑)。


とはいえ、美術展のPRに携わって20年近くになりますので、一般の方よりは美術の知識が身についていると思います。

仕事を通じて書籍を読んだり、学芸員の先生方のお話を伺ったりしていれば、それなりに知識が増えるのは当然です。


その一方で、美術館との打ち合わせや、PRの提案に伺った際には、「美術に詳しい人」と思われ、作品や作家について質問を受けることも少なくありません。

そんな時は、多少知ったかぶりをしたり、うまく話題を変えたりしながら乗り切ることもありますが、内心は冷や汗ものです。


「それなら学芸員の資格を取ればいいのでは」と思われるかもしれません。

実際、美術館には企業から異動してきた後に学芸員資格を取得した方も多くいらっしゃいますし、大学で資格を取得して就職された方もたくさんいます。

もちろん、会社の中にそうした専門知識を持つ人がいることは非常に心強いことです。


しかし、私は自分自身が学芸員資格を取得する必要は、それほど感じていません。

なぜなら、美術館は、美術に詳しい人だけに来てもらいたい場所ではないからです。

絵画や彫刻、工芸品などの魅力を、これまで美術に興味がなかった人にも知ってもらいたい。そのために展覧会が開催され、その橋渡しをするのがPRの役割だと思っています。

だからこそ、「美術がよくわからない」という人が、どこで興味を持ち、何につまずくのかを理解できることも、PRでは大切な視点になります。

専門家とは違う立場だからこそ、「どう伝えれば興味を持ってもらえるのか」「どんな切り口なら美術館へ足を運びたくなるのか」を考えることができます。

それは、美術展に限らず、PR全般に言えることかもしれません。


PRとは、知らないことを知ってもらい、新たな気づきを与える仕事です。

だからこそ、最初から何でも知っている必要はありません。

むしろ、「知らない人」の気持ちがわかることは、大きな強みになるのだと思います。

……とはいえ、「それは勉強したくない言い訳では?」と言われると、反論できない部分もあります(笑)。

それでも、専門家ではないからこそできるPRがあることだけは、ぜひ知っていただければうれしく思います。


 
 

サッカーワールドカップが始まりました。

日本代表はグループステージを無事突破し、いよいよノックアウトステージに挑みます。ここまでの戦いぶりを見ると、本当に強くなったと感じます。

もしかすると、本当に優勝争いに絡む日が来るのではないか――そんな期待すら抱かせてくれます。

これから先は負けたら終わりの真剣勝負。ぜひ日本代表には頑張ってもらいたいですし、私も一生懸命応援したいと思っています。

 

ところで、このコラムでは野球の話題は何度か書いてきましたが、サッカーについてはあまり触れてきませんでした。

別にサッカーが嫌いなわけではありません。

むしろ子どもの頃はスポーツ少年団のサッカーチームに入っていました。今はスポーツ少年団という呼び方をするのかわかりませんが、小学生の頃はそれなりに上手だったと思っています。

ただ、当時からサッカーは人気スポーツでしたし、自分より上手な子はいくらでもいました。中学校にはサッカー部もなかったこともあり、本格的に続けることはありませんでした。

 

私が若い頃は、スポーツといえば圧倒的に野球の時代でした。

日本がワールドカップに出場することなど想像もできませんでしたし、サッカーが今ほど注目されるスポーツになるとも思っていませんでした。

 

日本サッカーの大きな転機は、やはりJリーグの誕生だったと思います。

ちょうどその頃、仕事の関係でJリーグの試合を観戦する機会がありました。スタジアムの熱気や応援の雰囲気に触れ、サッカーの面白さを改めて感じたことを覚えています。

そしてJリーグの発足とともに、日本サッカーのレベルも大きく向上しました。

1998年のフランスワールドカップで初出場を果たし、その後は常連国となりました。

もちろん、その前には「ドーハの悲劇」がありました。私もテレビの前で見ていましたので、あの衝撃は今でも忘れられません。

 

現在でも世界のトップレベルは、ヨーロッパや南米の強豪国です。

しかし日本も確実にその差を縮めています。

今回の森保ジャパンを見ていると、その成長を特に感じます。

前回のカタール大会から同じ監督が指揮を執り、チームとして積み上げてきたものがあるのでしょう。

南野選手、三笘選手、遠藤選手といった主力選手が離脱してもチーム力が落ちないのは、選手層の厚さだけでなく、戦術がチーム全体に浸透している証拠だと思います。

 

そして私が感じるのは、サッカー日本代表には他の競技にはない特別感があるということです。

野球にも侍ジャパンがありますが、サッカーは「〇〇ジャパン」と監督の名前がチーム名になることが多く、それだけ日本代表という存在が特別なのかもしれません。

何より、ワールドカップは世界中が注目する4年に一度の大イベントです。

国と国が誇りをかけて戦う姿を見ると、自然と応援にも力が入ります。

 

正直に言えば、私はそれほど詳しいサッカーファンではありません。

いわゆる「にわかファン」と言われても否定はできません。

それでも、この期間だけは堂々と日本代表を応援したいと思っています。

日本代表が勝てばうれしいし、負ければ悔しい。

4年に一度、日本中が同じ方向を向いて応援できる機会というのは、実はとても貴重なことなのではないでしょうか。

野球も応援しますし、駅伝も応援しますし、オリンピックも応援します。

それでも、ここまで熱くなれるのはサッカー日本代表だけのような気がします。

なぜなのか、自分でもよくわかりません。


でも、日本代表を応援して盛り上がることくらいは許してもらいたいですよね。

とにかく明日のブラジル戦に勝利をしてもらわないと7月の楽しみがなくなってしまします。少なくとも、W杯の開催期間中は、私も立派な日本代表サポーターなのですから(笑)



 
 


休日は、できるだけ仕事をしないようにしています。

もちろん経営者ですから、完全に仕事から離れるのは難しいものです。どうしてもやらなければならないこともありますし、お付き合いもあります。最近では土日を丸々休めることの方が少なくなってきました。


それでも、できるだけ仕事のことは考えないようにしています。

不思議なもので、一度頭をリフレッシュすると、翌週に新しいアイデアが浮かんだり、気持ちを切り替えて仕事に取り組めたりします。休むことも仕事のうちと言いますが、あながち間違いではないようです。

とはいえ、会社のことが全く頭から離れるわけではありません。

「あの案件は大丈夫だろうか」「来月の売上はどうなるだろうか」など、気がつけば考えてしまいます。経営者の性というやつでしょう。


そんな休日に、時々届くのが営業メールです。

フィッシング詐欺のような大量送信メールではありません。問い合わせフォームを利用した、いわゆるフォーム営業です。

平日に届くのであればまだ理解できます。

しかし、土曜日や日曜日に届く営業メールを見ると、「この営業担当者は何を考えているのだろう」と思ってしまいます。

もしかすると、「土日も営業活動をしています」という熱意のアピールなのかもしれません。

あるいは、自動送信システムが勝手に送っているだけなのかもしれません。

しかし、受け取る側からすると迷惑以外の何ものでもありません。


個人向けの商品で、平日は連絡が取りづらいという事情ならまだ理解できます。

それでも個人的には休日くらいは放っておいてほしいと思いますが、少なくとも理由はわかります。

ところが企業向け営業の場合は話が別です。

休日に営業メールを送ることで成果が上がると考えているのであれば、その感覚は私には理解できません。

もし自動送信であれば、なおさらです。

自分は休みながら、システムだけ動かして営業成果を上げようとしている会社の商品やサービスを、本当に買いたいと思うでしょうか。

少なくとも私は思いません。


同じ理由で、深夜や早朝に届く営業メールも好きではありません。

ましてや電話営業ともなると、私はほぼ即座にお断りしています。

営業は大切な仕事です。

私も営業活動を否定するつもりはありません。

しかし、営業である以上、相手がどう感じるかを考えることも同じくらい大切ではないでしょうか。

だから私は、月曜日に届いた週末の営業メールはほとんど読まずに削除しています。


そして、このブログを読んだ後にもかかわらず、

「御社のホームページを拝見し、ぜひご連絡させていただきました」

という営業メールが休日や時間外に届いたとしたら、私はこう思うでしょう。

「ああ、この人はホームページもブログも読んでいないのだな」と。

もちろん送り主に悪気はないのでしょう。

でも、その小さな気遣いの有無が、営業の成果を大きく左右するのではないかと、個人的には思うのです。


 
 

著者・橘川徳夫 プロフィール

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中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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