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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

美術館のPRを担当していると、周りから「美術に詳しいんでしょう?」と聞かれることがよくあります。でも、実を言うと、この仕事を始める前は美術にほとんど興味がなく、知識もほぼゼロでした。今では一般の方よりは少し詳しいかもしれませんが、美術業界の専門家と比べるとまだまだです。


それでも、PRは問題なくできています。なぜなら、PRとは「知られていないことを人々に知ってもらう活動」だからです。実際、知らないからこそPRがうまくいくことも多いのです。


例えば、中途半端な知識や知ったかぶりをすると、かえってPRがうまくいかないことがあります。でも、知らないからこそ「どうしてみんなが興味を持つんだろう?」「この作品の魅力は何だろう?」といった疑問を持つことができ、そこから面白いPRのアイデアが生まれるのです。


PRを依頼する人が、「多くの人に知ってもらいたい」「使ってもらいたい」と思うなら、知らない人にこそPRをお願いすべきです。その方が、一般の人々の視点に近いので、共感を得やすいのです。


もちろん、最低限の知識がないと魅力を伝えることは難しいので、そのバランスは難しいところです。しかし、このコラムは私の知識不足の言い訳ではありませんので、どうぞご理解くださいね(笑)。

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PR戦略の一環として、PRイベントを開催する方法があります。記者発表会や内覧会などを通じてメディア関係者に取材してもらい、その内容を記事で紹介してもらうやり方です。


特に、記者発表会は最も一般的なPRイベントです。直接メディア関係者に情報を伝える機会を持てるため、プレスリリースを配信するよりも効果が高くなります。


しかし、記者発表会を開催したからといって、多くの記者が出席するとは限りません。出席者の数は、発表内容がどれだけ世間の関心を引くかによって大きく変わります。


たとえば、芸能人の結婚発表や企業の不祥事のお詫び会見には、多くのメディアが集まります。また、発表する人物の影響力も重要です。総理大臣の記者会見に必ずメディアが参加するのは、国の政策に関わる重要な情報が発表される可能性が高いためです。


以上のことから、記者発表会の成功には、以下の要素が重要となります。


・世間の関心を引く内容であること

・発表する人物が影響力のある人であること


しかし、すべての企業が世間の注目を集める内容を持っているわけではありません。この場合、業界に特化した内容を発表することで、業界メディアの関心を引くことができます。こうしてPR戦略・戦術を練り上げることが重要です。


さらに、内容が弱いと感じる場合、著名人を招いての記者発表会を行う方法もあります。新CM発表会で新たなタレントを招き、多くの取材陣を呼ぶという手法です。ただし、著名人を招くには費用がかかります。費用をかけたにも関わらず取材人数が少なかった場合、PR戦略の失敗という結果になってしまいますので、ゲストの選定は慎重に行う必要があります。


また、記者発表会の案内を作成する際には、どの程度の情報を事前に伝えるかが重要です。発表内容を詳細に書きすぎると、記者が発表会に出席する必要がなくなります。一方、情報が少なすぎると、関心を引くことができません。私の考えでは、タイトルとポイントを記載し、発表内容の概要を伝えつつ、記者発表会に出席したいと思わせるような案内を作成するのがベストであると考えます。


記者発表会の成功には経験が重要です。確実に成功させたい場合は、PR会社に任せるのが一番です。

 

 

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前回のコラムでPR会社の役得についてお話ししましたが、その反対に、「これは失敗だったな」と反省することもあります。今回は、「失敗」について書いてみたいと思います。


PR会社の失敗と言えば、PRがうまくいかなかったことなのですが、「これは仕方なかったのでは……」と思えるような失敗もあります。


たとえば、PRイベントの案内を出したのに、イベント当日に「どうも今日はメディアや記者の数が少ないな……」と思っていたら、同日・同時刻に競合するイベントや記者発表会などが重なっていたことがあります。「しまった……」と思っても、もう日付や時間は変えられません。場所の予約やタレントさんのスケジュールなどもありますので。


また、取材陣は数多く来場しても、その後、ほとんど番組や記事などで取り上げられないケースもあります。たとえば、芸能人や有名人を起用したイベントの場合、では、当事者やその著名人と近い人物の不法やスキャンダル(文春砲など)が判明すると、ほとんど紹介されなくなってしまいます。せっかく取材にキてくれたのに、記事や番組がお蔵入りになってしまうと、徒労感だけが残ります。


こうした失敗は自責ではないといっても、やはり時間とお金をかけてPRを企画したクライアントには申し訳ない気持ちになってしまいます。なので、最近では「週刊文春」が発売される木曜日にイベントを企画するのはあまりおすすめしていません(笑)


それ以外の失敗では、イベントが紹介されたテレビ放送に偶然自分が映り込んでしまったケースです。友人からは「テレビに出ていたね。よかったね」などと言われますが、私たちPR会社は「黒子」的な存在であるべきなので、「ああ、やってしまった!」と落ち込むことの方が多いです。


たとえば、マイクを渡す時など、どうしても映り込んでしまうのは仕方ありませんが、取材時のテレビカメラの位置を把握しきれていなかった結果、映り込んでしまった……というケースはプロ失格だと思うのです。


みなさんには、「PR会社の人間は極力写り込まないようにしているんだ」ということを知っていただければ幸いです。

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著者・橘川徳夫 プロフィール

顔写真 (2).jpg

中央大学経済学部卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、2001年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わってきた。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングがクライアントに好評を博している。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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