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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

【PR講座 第8回】PR戦略におけるストーリーテリングの重要性

更新日:4月24日

PR戦略を考える際には、単に何を考えるかだけではなく、戦略を構築するためには何が必要なのかについてお話してきました。多くの経営戦略書が存在し、さまざまなアプローチがありますが、私はその中で「ストーリー」が極めて重要だと考えています。


では、PRにおけるストーリーとは具体的にどのようなものでしょうか?


PRは、知られていないことに気づいてもらうための活動です。そのため、相手が容易に理解しやすい形で情報を伝える必要があります。自分が理解しているから相手も理解するという思い込みは避けるべきです。特にエンジニアの場合、専門用語を使いすぎて理解されづらくなることがあります。ストーリーを活用することで、情報を分かりやすく伝えるだけでなく、相手にイメージを持ってもらいやすくなります。


例えば、「子供のいない老夫婦が川で拾った桃から生まれた子供を育て、その子が世間に迷惑をかける鬼を退治し、宝物を持ち帰り幸せにその後を暮らした。」という話を聞いたとしても、それだけでは興味を持つ人は少ないでしょう。しかし、「川上から桃がドンブラコドンブラコと流れきた」などと話が展開されると、より具体的にイメージができ、興味深いものとなります。また、キビ団子の話や犬、猿、雉が家来になった経緯を加えると、さらに想像力が膨らみます。


PRにおいては、ストーリーを通じて情報を伝えることで相手にイメージを残し、商品やサービスの利用方法などを想像させることが重要です。これが購買活動につながる要素となります。


では、ストーリーを作るとはどういうことでしょうか?


私は、ストーリー志向のPR戦略を考える際に、井上ひさし氏の言葉「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく。」が示す通りに、相手が知らないことを分かりやすく、深く、面白く伝えることが重要だと考えています。


この言葉に従って考えることで、相手に伝えたい情報をストーリーに組み込みやすくなります。そして、ストーリーを構築するためのテクニックも重要ですが、まずはどのようにストーリーを組み立てるかを考えることが大切です。この言葉を覚えて、PR戦略におけるストーリーの重要性を意識してください。

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著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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