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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

【PRコラム】PRに役に立つ経営理論「ジョブ理論」

執筆者の写真: 橘川 徳夫橘川 徳夫

先日、このブログで「経営学はPRに役立つ」というテーマで、いくつかの経営学書を紹介しました。しかし、実はもう一冊、ぜひ紹介したい本がありました。それが、クレイトン・クリステンセンの『ジョブ理論』です。彼は『イノベーションのジレンマ』で有名になりましたが、この『ジョブ理論』もまた、製品やサービスの成功を理解するための強力なフレームワークです。


ジョブ理論とは?


ジョブ理論では、消費者が製品を購入する理由を「その製品が果たすジョブ(役割)」として捉えます。つまり、消費者は製品そのものではなく、その製品が自分のニーズをどのように満たしてくれるかに注目しているのです。


例えば、朝にコーヒーを買う理由を考えてみましょう。単に「コーヒーが好きだから」ではなく、朝の眠気を覚ましたり、リラックスするためにコーヒーを選んでいることが多いでしょう。つまり、コーヒーという製品は「眠気を覚ます」というジョブを果たしているのです。


PRにおけるジョブ理論の重要性


では、なぜジョブ理論がPRにおいて重要なのでしょうか。それは、製品の特性だけを伝えるだけでは、消費者がその製品を選ぶ理由を十分に伝えられないからです。消費者は、その製品が自分の問題をどう解決してくれるのか、つまりどんなジョブを果たしてくれるのかに興味を持っています。


例えば、新しい掃除機をPRする際に、単に「吸引力が強い」「軽量で使いやすい」と特徴を並べるだけではなく、「忙しいあなたの時間を節約し、家庭を常に清潔に保つパートナー」として紹介することで、消費者にその掃除機が果たすジョブを具体的に伝えることができます。


なぜジョブ理論を紹介しなかったのか?


ここまで「ジョブ理論はPRに役立つ」と言いながら、先日のブログでこの理論を紹介しなかった理由をお話ししましょう。実は、先日のブログの原稿はAIのアシストを受けて執筆したものだったからです。もちろん、紹介した本は全て読んでいますが、「経営学がPRに役立つというテーマでコラムを書いてください」といったプロンプトを入力すれば、ブログの原稿は半分くらいできあがってしまいます。


AIは「人間の知能を備えたコンピュータープログラム」という製品ですが、どのように活用すればいいのかイメージが湧かないこともあるでしょう。しかし、ジョブ理論を用いれば、AIの役割を「ブログ原稿の作成時間を短縮するためのプログラム」として位置づけることもできます。


少し言い訳っぽくなってしまいましたが、ジョブ理論を理解することで、PRの幅もさらに広がるかもしれませんよ!


もちろんこの原稿もAIに助けてもらっています(笑)

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著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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