PR戦略を考える上で、「What(何を)」や「Who(誰に)」について話しましたが、最後に「Why(なぜ)」についても触れてみたいと思います。私は、「Why(なぜ)」が最も重要だと考えています。なぜなら、PR戦略だけでなく経営戦略やマーケティング戦略にも関わるからです。
この要因が明確でなければ、戦略を確定させることはできません。
PRしたい商品やサービスが「なぜ作られたのか?」、「なぜその機能が追加されたのか?」、「なぜターゲットに伝わらないのか?」などを考えると、様々な問題が浮かび上がってきます。商品がその「なぜ」を解決するために作られていれば、その解決策をPRすることで戦略は成立します。
しかし、時には思いつきで製品が開発されることもあります。たとえば、若者向けに新しい製品を作る際、色やデザインを重視して似たような商品が生まれることがあります。その結果、PRする際に伝える点が曖昧になり、ターゲットの選定も難しくなります。
例えば、お年寄り向けに文字を大きく見やすくする機能を追加した場合、その「なぜ」が明確です。「文字が見づらいから見やすくすることでお年寄りも使いやすくなる」という解決策をPRできます。しかし、日本語表記からローマ字表記に変更して若者にアピールする場合、その「なぜ」が若者に求められるものなのか疑問です。
「なぜ」が不明確だと他の要因も決められず、PR戦略を進める際に立ち戻ることがあります。そのため、チームで議論し、なぜについて深く掘り下げることが大切です。いろいろななぜを解決するために、それぞれのターゲットに向けたPRが可能になります。
以上のことから、「Why(なぜ)」はPR戦略を考える上で最も重要な要素と言えます。
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