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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

【PRコラム】誕生日はPRに使えるのか?


先日のPR特別講座では「母の日」を取り上げ、季節行事をうまく活用したPRはメディアに取り上げられやすく、効果的だという話をしました。では、「誕生日」はPRの題材として使えるのでしょうか?実はこれ、意外と難しいテーマです。なぜかというと、誕生日は誰にでもある記念日ですが、“みんな一緒の日”ではないからです。母の日やバレンタインのように世の中全体が同じ日に動く行事と違い、誕生日は個人ごとにバラバラなため、話題としての広がりや共感が生まれにくく、イベントやキャンペーンとして打ち出しづらいという弱点があります。


たとえば、ある会社の社長の誕生日に新商品を発表したとします。社内的にはめでたい日かもしれませんが、社外の人からすると「だから何?」で終わってしまうリスクがあります。場合によっては、“自己満足っぽいPR”というマイナスイメージにつながることもあります。実際、誕生日に合わせて何かを発信する場合は、その“意味づけ”が非常に重要になってきます。


ただし、誕生日を「きっかけ」として利用するというアイデアはゼロではありません。

たとえば、有名タレントの誕生日に合わせて、誕生日サプライズイベントを行う。会場でプレゼントを贈る様子がテレビで放映されれば、その場の盛り上がりは伝わるでしょう。ただしここでも、商品やサービスにどう結びつけるかが課題となります。一瞬の話題になっても、購買や認知向上に結びつかなければ、PR効果としては限定的です。


一方で、誕生日キャンペーンとして、「当日来店で割引」や「バースデーデザートをプレゼント」といったサービスを提供している飲食店やショップは多くあります。こういった仕組みは、お客さまに“覚えていてもらえる店”としての印象を残すきっかけにもなり、リピートにもつながります。ただし、メディアPRとして広く取り上げてもらうには、もうひと工夫が必要です。

たとえば、有名タレントの誕生日に合わせて開催するイベントで、サプライズ演出をしたり、記念の商品を発表したりすることで話題性は出せるかもしれません。ただしそこでも注意したいのは、「誕生日」という日があくまで“入口”であって、その先にあるストーリーや商品価値がしっかり伝わる構成でなければ、PRとしては成立しません。


……と、ここまで“誕生日のPR活用法”について書いてきましたが、そもそもなぜこのテーマを選んだかというと、実は今日が妻の誕生日だからです。

PR戦略をどうするかより、今日のプレゼントをどうするかの方がはるかに悩ましい問題です。でも、こういう“誰かを思う日”があるからこそ、人の心が動き、ストーリーが生まれるのだとも感じています。

誕生日をPRに使うのは難しい。でも、誰かの誕生日を大切にする気持ちから、素敵なアイデアが生まれることも、きっとあるはずです。

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著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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