top of page

無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

【PRコラム】実は、美術はあまり得意ではありません

7月6日
読了時間: 3分

ご承知かもしれませんが、ウインダムの主力事業は、美術展のPRです。

そのため、「美術展のPRをしている会社だから、社長も美術に詳しいのでしょう」と思われることがよくあります。

しかし、はっきり言えば、私は子どもの頃から絵を描くことが苦手でした。美術の成績が特別良かった記憶もありませんし、高校では美術ではなく音楽を選択しました。

もちろん絵も上手ではありません。ちなみに、このブログに掲載しているイラストはAIで作成したもので、私の画力とは全く関係ありません(笑)。


とはいえ、美術展のPRに携わって20年近くになりますので、一般の方よりは美術の知識が身についていると思います。

仕事を通じて書籍を読んだり、学芸員の先生方のお話を伺ったりしていれば、それなりに知識が増えるのは当然です。


その一方で、美術館との打ち合わせや、PRの提案に伺った際には、「美術に詳しい人」と思われ、作品や作家について質問を受けることも少なくありません。

そんな時は、多少知ったかぶりをしたり、うまく話題を変えたりしながら乗り切ることもありますが、内心は冷や汗ものです。


「それなら学芸員の資格を取ればいいのでは」と思われるかもしれません。

実際、美術館には企業から異動してきた後に学芸員資格を取得した方も多くいらっしゃいますし、大学で資格を取得して就職された方もたくさんいます。

もちろん、会社の中にそうした専門知識を持つ人がいることは非常に心強いことです。


しかし、私は自分自身が学芸員資格を取得する必要は、それほど感じていません。

なぜなら、美術館は、美術に詳しい人だけに来てもらいたい場所ではないからです。

絵画や彫刻、工芸品などの魅力を、これまで美術に興味がなかった人にも知ってもらいたい。そのために展覧会が開催され、その橋渡しをするのがPRの役割だと思っています。

だからこそ、「美術がよくわからない」という人が、どこで興味を持ち、何につまずくのかを理解できることも、PRでは大切な視点になります。

専門家とは違う立場だからこそ、「どう伝えれば興味を持ってもらえるのか」「どんな切り口なら美術館へ足を運びたくなるのか」を考えることができます。

それは、美術展に限らず、PR全般に言えることかもしれません。


PRとは、知らないことを知ってもらい、新たな気づきを与える仕事です。

だからこそ、最初から何でも知っている必要はありません。

むしろ、「知らない人」の気持ちがわかることは、大きな強みになるのだと思います。

……とはいえ、「それは勉強したくない言い訳では?」と言われると、反論できない部分もあります(笑)。

それでも、専門家ではないからこそできるPRがあることだけは、ぜひ知っていただければうれしく思います。


最新記事

すべて表示
【PRコラム】「偶然の出会い」がなくなる?――紙媒体から考えるPR

新聞や雑誌など、かつてメディアの主力を担っていた紙媒体が、次々と休刊や廃刊に追いやられています。 今はWEBの時代ですから、それも仕方がないことだと思います。 電車の中で大きな新聞を広げて読むより、スマホでサクッとニュースを読む方が便利です。漫画もスマホで読む人が増え、私自身も漫画アプリを利用しています。 ただ、便利になった一方で、失われつつあるものもあるような気がします。 それが、「自分が興味を

 
 
 
【PRコラム】「同じ映画を5回観る」から考えた、推し活時代のPR

ウインダムでは、人気アニメの展覧会のPRを担当することがあります。 先日、たまたまそのアニメが大好きだという若い人と仕事をする機会があり、「展覧会のPRに関われてうれしい」と、とても喜んでもらえました。 その人と話をしていて驚いたことがあります。 そのアニメは映画化もされているのですが、なんと同じ映画を5回も観に行ったというのです。 私は、同じ映画を2回観ることすらほとんどありません。テレビで以前

 
 
 
【PRコラム】公約は「守ればいい」のか

消費税減税から考える政治のPR 高市内閣は今月、飲食料品にかかる消費税率を引き下げる方針を決定しました。 これは昨年の衆議院議員選挙で掲げた、食料品の消費税負担を軽減するという公約を実現するための政策です。 選挙で公約を掲げ、その選挙に勝利したのですから、公約の実現に向けて動くこと自体は当然のことだと思います。 ところが、今回の政策に対しては野党やメディアから多くの疑問が投げかけられています。

 
 
 

コメント


著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

​

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

bottom of page