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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

【PRコラム】パラリンピックにもっと注目を!メディアと私たちの関係を考える

執筆者の写真: 橘川 徳夫橘川 徳夫

パラリンピックが9月8日に閉幕しました。日本は金メダル14個、銀メダル10個、銅メダル17個の計41個のメダルを獲得しました。オリンピックのメダル数と比べると若干少ないですが、大健闘と言っていいと思います。また、障がいを持つ選手たちが見せる努力とその成果には、心からの敬意を感じます。


しかし、これほど多くのメダルを獲得したにもかかわらず、オリンピックほど話題にならないのは、メディアの報道量が少ないことが一因かもしれません。オリンピックではメダリストが生まれると、朝のワイドショーやニュースで何度も取り上げられ、選手へのインタビューも各局で行われます。一方、パラリンピックのメダリストも紹介はされるものの、その扱いはオリンピックと比べて控えめです。


実を言うと、私自身も今回のパラリンピックの競技を観戦しませんでした。選手たちが障がいを乗り越え、トップを目指して努力する姿には心から敬意を抱いていますが、どうしても競技そのものに感情移入しにくいと感じています。オリンピック競技は、自分が経験したことのあるスポーツであれば、そのすごさを理解できますが、パラリンピックの競技は、自分が経験したことのない世界だからこそ、その凄さを実感するのが難しいと感じます。たとえ同じ障がいの状態を一時的に体験したとしても、その状況で競技を続けるわけではないので、頭では理解していても、その努力の大きさを実感するのは難しいのかもしれません。


障がい者スポーツやパラリンピックに対する関心が高まらないのは、私たちが無意識のうちにこれらを「別物」として捉えているからかもしれません。「かわいそう」「大変なのに頑張っている」といった視点で捉えてしまい、障がい者に対する寄り添った理解がまだ十分ではないのかもしれません。


そのため、メディアにはパラスポーツを理解しやすく、共感できる形で伝える努力が求められていると思います。しかし現状では、障がいをどのように克服したか、家族や知人の支えといった、感動を誘うエピソードに焦点が当たりがちです。これからは、一般の人々が障がい者スポーツを楽しめるものだと感じられるような報道が必要だと感じます。


パラリンピックへの関心が低い理由として、「人々が関心を持たないからメディアが報道しないのか、それともメディアが報道しないから関心が持たれないのか」という議論はありますが、これでは今後も状況は変わらないでしょう。


そこで、新しい視点からのPR戦略が求められると思います。パラアスリート本人やその関係者、メディア、そして障がい者競技以外のスポーツ団体が一体となって、パラスポーツの普及に努めてほしいと期待しています。


もしこの内容が不快に感じられた方がいらっしゃれば、それは私の認識不足によるものです。深くお詫び申し上げます。

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著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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