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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

【PRコラム】「決断」がつくる政治のPR

─メッセージより行動が伝わる時代に


10月6日のブログで「高市自民党総裁が選ばれれば、日本初の女性総理が誕生するかもしれない」と書きました。

紆余曲折がありましたが、結局は、10月21日に高市新総理が正式に任命され、日本初の女性総理大臣が誕生しました。

 

自民党と公明党が過半数割れをしたことから、野党が結束すれば、自民党に代わって野党勢力が連携して政権交代を狙うことも可能になりました。

一時は、国民民主党の玉木代表を中心に調整が進められましたが、政策面での合意が得られず交渉は決裂しました。一方で、自民党と長年連立を組んでいた公明党が連立離脱を決断したことも受けて、高市総裁が本当に総理大臣に任命されるのか、果たして誰が総理大臣となるか、政局は混迷を極めました。

しかし、日本維新の会の吉村代表と高市総裁が協議を重ね、自民・維新による新たな連立政権が誕生することになりました。

 

高市内閣の発足後の支持率は高く、自民党と日本維新の会の政党支持率も上昇しました。一方で、国民民主党や参政党の支持率は下がり、立憲民主党は横ばいという結果となりました。

国民民主党は、玉木代表が一時「次期総理候補」として注目され、支持を集めましたが、最終的に政権に加われなかったことが支持低下の要因とみられています。

 

私の個人的な見方ですが、今回の政局の明暗を分けたのは「決断」だったと思います。政治において重要なのは、政策の中身そのものよりも、「何を、いつ、どう決めるか」という判断力です。国民が求めているのは、理念よりも行動、言葉よりも実行です。

 

各党の対応を振り返ると、「決断力」の差が政党支持率に明確に表れていると感じます。

  • 自民党:公明党との長年の連立を解消し、維新との新連立を決断。

  • 日本維新の会:政策実現のために政権参加を決断。

  • 国民民主党:政権入りの機会を前に決断できず、支持率が低下。

  • 公明党:連立離脱という苦渋の決断。

  • 立憲民主党:野党連携に向けた方針転換を決断できず停滞。

  • 参政党:政権協議への参加を見送り、支持を伸ばせず。

このように「決断した政党は支持を伸ばし、決断できなかった政党は支持を落とす」という構図がはっきりと見えてきます。

政治の世界では、最終的に“決める力”こそがリーダーシップの証であり、その姿勢がそのままPR効果=イメージ形成につながります。優柔不断な態度は「迷走」と映り、思い切った判断は「信頼」として受け止められるのです。つまり、政治における「決断」とは、言葉ではなく行動によるPRだと言えます。

 

石破政権の末期を振り返ると、「議論はしても決められない政治」への不満が国民の支持離れを招いた印象があります。国民が政治に求めているのは、理念の議論よりも「結果を出すこと」です。いくら立派な政策を掲げても、実行されなければPRとしての効果はありません。

今回の高市政権誕生では、自民党も維新の会も、一定のリスクを承知で連立に踏み切りました。その「決断した」という事実そのものが、「政治が動き出した」という前向きな印象を国民に与えたのだと思います。

 

PRの仕事に携わる立場から見ても、今回の政局は大変示唆に富むものでした。どれほど丁寧なメッセージを発信しても、最終的には「判断」と「実行」が伴わなければ、信頼や支持は得られません。それは政治に限らず、企業やブランドのPRにも共通する真理だと思います。

今後の高市政権がどこまで具体的な政策を実現できるかはまだわかりません。しかし、維新の吉村代表が掲げる“スピード感のある政治”と、高市総理の「決断力」が両輪となって進むなら、少なくとも政治が再び動き出す期待を感じます。

国民が政治に求めているのは、説明ではなく実践、言葉ではなく決断だと私は思います。今回の政権交代劇は、政治の世界におけるPRの本質を改めて考えさせられる出来事だったと思います。

 

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著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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