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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

【PR特別講座】プレスリリースは「短く」が基本

~伝えたいことを絞る勇気がPRの質を上げる~


前回のPRコラムで「話が長い」というテーマについてお話ししました。実はこの話、PRにおいても非常に重要なポイントです。今回はその続きを、プレスリリースの観点からお話ししたいと思います。

 

当然のことながら、プレスリリースは短く書いて理解してもらうことが理想です。

ただ最近は、WEBメディアが主流となり、紙媒体のようなスペース制限がなくなりました。

そのため、「長いリリースでも問題ないのでは?」と考える方もいるかもしれません。

確かに、掲載スペースの制限という意味では問題ないケースもあります。

しかし、ここで忘れてはいけないのは、情報を受け取る側の視点です。

 

テレビ番組をイメージすると分かりやすいでしょう。

1時間のインタビューを収録しても、実際に放送されるのは30秒程度――これはよくある話です。

つまり、どれだけ多くの情報を伝えようとしても、受け手はその中から「興味のある部分だけ」を選んで受け取るのです。

これはプレスリリースでも同じです。長く書いたからといって、すべてが伝わるわけではありません。

 

リリースが長くなる最大の理由はシンプルです。

「伝えたいことが多すぎる」からです。

発信側としては、

「これも伝えたい」「あれも説明しないと分からない」という気持ちになるのは当然です。

しかし、受け手からすると、情報が多すぎることで何が重要なのか分からなくなるという問題が生じます。

結果として、せっかくの重要な情報ですら埋もれてしまうのです。

 

PRで大切なのは、伝えることよりも、何を削るかです。

  • 一番伝えたいことは何か 

  • 相手が興味を持つのはどこか 

これを明確にする必要があります。

理想は「1つのメッセージ」に絞ることですが、どうしても複数の要素が必要な場合でも、インとサブを明確に分けることが重要です。

 

専門性が高い内容の場合、どうしても説明が増えてしまいます。これはある程度仕方のない部分です。

ただし、専門性が高いということは、伝える相手(メディア)も限られるということです。

であれば、最初から対象メディアを絞り、必要最低限の説明にとどめる方が効果的です。

 

ここで一つ実務的なポイントです。

最初から短く書こうとするよりも、一度しっかり長く書いてから削る方が良いと思います。

理由はシンプルで、

  • 情報の整理ができる 

  • 重複や無駄が見える 

  • 優先順位が明確になる 

からです。

さらに最近では、ChatGPT などのAIを活用すれば、文章の要約や整理も簡単に行えます。

 

短く、簡潔で分かりやすい文章は、情報の受け手にとって間違いなく好まれます。

PRとは「伝えること」ですが、本質は「相手に理解してもらうこと」です。

そのためには、情報量を減らす勇気が必要です。

日頃から、「どうすれば短く伝えられるか」を意識して文章を書くことが、PRの質を高める第一歩になるでしょう。

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著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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