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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

【PRコラム】自転車の交通ルールと日本人の感覚

5月25日
読了時間: 3分

4月から、自転車にも交通反則通告制度、いわゆる「青切符」制度が導入されました。自転車通勤の増加や、スマートフォンを操作しながらの運転など、悪質な運転が社会問題化してきたことを受けての制度改正です。

私自身、街中で危険な自転車運転を目にすることもありますし、実際に危険を感じた経験もあるため、この制度そのものは必要なものだと思っています。

 

ただ一方で、自転車を運転している人が、どれだけ道路交通法を理解しているのかと言えば、かなり疑問を感じます。

自動車であれば、免許更新時に講習があり、道路交通法の改正点などを学ぶ機会があります。しかし、免許を持たない人は、ニュースなどで断片的に知る程度で、細かなルールまではなかなか理解できません。

そもそも、自転車は免許なしで誰でも乗れるため、「交通ルールを学ばなければならない」という意識自体が薄いのかもしれません。

となると、交通ルールを学ぶ機会は、小学校の交通安全教室くらいしかないことになります。

 

私は自動車も自転車も運転しますが、自動車を運転していると、本当に危険な自転車を多く見かけます。

  • 逆走 

  • 信号無視 

  • 傘差し運転 

  • スマホ操作運転 

などは、見ていてヒヤッとすることも少なくありません。

とはいえ、いざ自分が自転車に乗ると、信号無視まではしなくても、一時停止を完全に守れているかと言えば自信はありません。

恐らく、日本人の感覚として、自転車は「車両」というより、どこか「歩行者に近い存在」として認識されているのだと思います。

実際、自転車と歩行者が共用の信号もありますし、横断歩道で待っている自転車に対して、自動車が止まってくれることもあります。

そうした日常の感覚が、「自転車=歩行者寄り」という認識を強めているのでしょう。

 

本来、自転車は車道を走るのが原則ですが、日本の道路事情を考えると、「歩道を走った方が安全では?」と思う場面も少なくありません。

実際、自動車を運転していると、自転車は歩道を走ってほしいと思うこともありますし、自転車側から見ても、車道を走るのは怖いと感じることがあります。

つまり現在の道路環境は、法律上の理想と現実が完全には一致していない部分もあるのです。

 

今回の制度改正によって、自転車の危険運転に対する意識が高まったこと自体は、とても良いことだと思います。

過去を振り返っても、

  • オートバイのヘルメット着用 

  • 自動車のシートベルト 

などは、「違反になる」という認識が広がったことで、一気に定着しました。

そう考えると、「罰則を設けることで認知を広げる」というのは、PR手法として非常に効果的なのかもしれません。

ただその一方で、「罰を与える」というやり方は反発も生みやすく、特に今回のように免許を持たない人にも周知しなければならない制度では、もう少し丁寧な伝え方が必要だったようにも感じます。

 

今回の制度改正で最も重要なのは、「自転車は車両である」という認識を国民全体に持ってもらうことだと思います。

単に違反を取り締まるだけではなく、

  • なぜ危険なのか 

  • なぜルールが必要なのか 

  • どうすれば安全になるのか 

を、行政側がもっとわかりやすくPRしていく必要があるのではないでしょうか。

制度を作るだけでは人の意識は変わりません。だからこそ、ルールを社会に浸透させるための「伝え方」が、これからますます重要になってくるように感じます。

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著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

​

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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