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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

【PRコラム】“中立報道”が生む混乱

~いま日本のメディアに欠けている視点~


このブログでも、これまで何度か「政治と報道」について触れてきました。参議院議員選挙での野党過半数割れ、高市内閣誕生までの流れを見ていて、近年の政治報道に対し、どうしても“違和感”を覚える場面が増えています。

もちろん、政治に対してメディアが監視役として機能することは民主主義の根幹です。政権の暴走を防ぎ、政策の問題点を指摘し、国民が政治判断をする材料を提供する――これは本来のメディアの役割です。

しかし、最近の報道を見ていると、チェック機能を果たすはずが、「ひたすら批判を積み重ねるだけ」という印象が強まり、結果として何が正しい方向なのか、視聴者に何も残らないケースが増えているように感じるのです。

 

物価高対策が今論議されていますが、給付金を出すのか、減税なのか、財源はどうするのか?どの政策にも必ず「副作用」があります。だからこそ政治は“決断”が求められます。

しかし、日本のメディアは

  • 給付金 → 財源が不明

  • 減税 → 財政悪化

  • 国債増発 → 円安を招く

  • 規制強化 → 経済停滞


    というように、どの政策を出しても即座に批判するだけになりがちです。

これでは、「結局どうするのが良いのか」が全く見えてこないため、国民が混乱するのも無理はありません。

 

欧米のメディアには、保守寄り・リベラル寄りなど立場が明確な報道機関があります。そのため、どのメディアを読めばどの立場の意見なのかが分かり、国民は自ら判断材料を選べます。

一方、日本の大手メディアは、「中立」を掲げながら、実際には批判が中心という曖昧な立場にあります。

SNS時代には極端な意見が支持されやすく、オールドメディアが慎重になればなるほど「何を伝えたいのか分からない報道」になってしまいがちです。その結果、若者のテレビ離れ・新聞離れがさらに進むという、悪循環が生まれているのです。

 

PRの世界では、相手が「行動しやすくなる情報」を提供することがもっとも大切と考えられています。

政治報道も同じで、

  • この政策にはこういうメリットがある

  • 一方でこうした課題も存在する

  • では何が現実的な選択肢なのか?


    という“整理”こそが本来必要なはずです。

批判だけでは視聴者も読者も判断できません。賛否を含めて「どういう未来を描けるのか」を提示することで、初めてPRとしての価値が生まれます。

 

今の若い世代はテレビも新聞も見ません。SNSや動画で情報を得ています。その中で従来のように「批判中心の報道」を続けても、心に響くはずがありません。

メディアも、政治家も、そして私たちPRの現場も、“何を批判するか”ではなく、“何を提案できるか”へ視点を移す必要があります。

その変化こそが、政治への関心を取り戻し、国民の判断力を高める道だと感じています。

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著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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