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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

【PR特別講座】Xの投稿を1年間続けて気づいたこと~個人で発信する際に意識すべきポイント~


先日のPR特別講座では、私が1年間X(旧Twitter)の投稿を続けてきた経緯や苦労についてお話ししました。今回は、その中で気づいたことを整理してみます。今後SNSを活用しようと考えている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

 

私のXアカウントは会社ではなく、あくまで個人として運用しています。そのため、まず大事だと思ったのは「投稿に個性を持たせること」でした。

当初はPR会社の社長という立場から、「PRの観点からニュースを斬る」というイメージで発信していました。

しかし、PRというテーマ自体に強い関心を持つ人は限られており、反応が少ないからかインプレッションなどが伸び悩みました。

さらに、ニュースをPR視点に無理に結びつけようとすると、時間も手間もかかり、不自然さが出てしまいました。

そこで方向性を見直し、「おじさん目線でニュースを斬る」というスタイルに切り替えました。

 

スタイルを変えてからは、取り上げる話題を広くしました。スポーツ、芸能、政治、事件、地域、科学、IT、企業など、多彩なジャンルについて意見や感想を発信しました。

特に話題性のあるテーマ――たとえば大谷翔平選手の活躍やお笑いの賞レース――では、インプレッション数がフォロワー数の数十倍に跳ね上がることもありました。

この経験から、人々が関心を寄せているテーマに触れることの重要性を改めて実感しました。

 

インプレッションが増えると一時的にフォロワーも増えます。ところが、しばらくするとまた減ってしまう。

これは「自分の興味のある投稿を見てフォローしたものの、その後の投稿が関心外だった」という理由だと考えています。つまり、フォロワーを増やすには「テーマの一貫性」と「発信する人柄」が大事ということです。

私のように幅広いテーマを扱う場合、よほど知名度がある論客でないとフォロワー数を増やし続けるのは難しい。一方で、発言を少し過激にすればフォロワーが伸びる可能性もあります。ただ、私の場合は会社の代表という立場もあり、偏った発信は控えてきました。その分、面白みや共感を得にくいという側面もあると感じています。

以前の講座でも触れましたが、人は「自分が言えないことを代わりに言ってくれる投稿」に共感するものです。トレンドに合わせた発信も効果的ですが、ただ流されるだけだと個性が見えにくくなります。そのため、「トレンドを踏まえつつ、自分らしさをどう出すか」がポイントになると思います。

 

私の経験では、朝の通勤前や夕方の退勤前に投稿すると、タイムラインをチェックする人が多く、インプレッションが伸びやすい印象があります。

また、誰も発信していない情報をいち早く投稿するとインプレッションは大きく伸びます。ただし、トレンドに乗る場合でもフォロワーが少ないうちは「多くの人が同じ話題を投稿している中に埋もれてしまう」こともあるので注意が必要です。

 

今回書いたことは、SNS運用においては、ある意味「当たり前」のことかもしれません。しかし、個人で発信する場合には特に、その人がどういう人物なのかが見えることが大事だと思います。

ただし、発信する内容が共感を得られなければインプレッションは伸びません。トレンドに合わせた投稿をすれば数字は伸びるかもしれませんが、その一方で自分の個性が埋もれてしまう危険もあるため、注意が必要です。

また、過激な発信で一時的に注目を集めることもできますが、長期的に見れば望ましい方法ではありません。やはり、自分に合ったやり方で地道に続けていくことが大切だと思います。


私自身も模索しながら続けてきましたが、もし読者の皆さんの中で「こんな方法もある」というアイデアがあれば、ぜひ教えていただきたいと思っています。

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著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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