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無知の玉手箱
~知らないから始まるマーケティング~

【PRコラム】ワールドカップから学ぶPRのタイミング


昨日、FIFAワールドカップ2026がスペインの優勝で幕を閉じました。

6月11日(日本時間では12日)に開幕した約1か月にわたる熱戦も終わり、少し寂しさを感じる一方で、「そろそろ別の話題でもいいかな」と思う気持ちもあります。

実際、大会期間中はテレビをつければワールドカップの話題ばかりでした。

 

日本代表がブラジルに敗れた後は報道量も少し落ち着きましたが、もし日本がさらに勝ち進んでいたら、連日ワールドカップ一色だったのではないかと思います。

世界中でこの大会を観戦し、一喜一憂している人は10億人を下らないでしょう。

もちろん、出場国とそうでない国では関心の度合いは異なりますが、それでもサッカーは世界最大級のスポーツです。自国が出場していなくても試合を楽しむサッカーファンは数多くいます。

 

私自身、世界規模で見れば、ワールドカップはオリンピック以上の盛り上がりを見せるスポーツイベントだと感じています。

こうした世界的なイベントを、PRの視点から見ると、一つ大きな教訓があります。

それは、これほど大きな話題がある期間にPRイベントを開催しても、メディアには取り上げられにくいということです。

 

特に、日本代表の試合日には注意が必要です。

勝っても負けても、その日のニュース番組は試合結果や選手のコメントが中心になります。WEBメディアやSNSでもワールドカップ関連の投稿が圧倒的に増えるため、それ以外のニュースはどうしても埋もれてしまいます。

 

もちろん、イベントには会場の都合や関係者のスケジュールなどもあり、「その日しか開催できなかった」というケースもあるでしょう。

ワールドカップの組み合わせが決まるのは大会前ですから、それ以前に計画していたイベントであれば、不運だったと言うしかありません。

 

しかし、ワールドカップが6月から7月に開催されること自体は以前から決まっています。

季節性がないイベントであれば、この時期を避けるだけでもPR効果は大きく変わる可能性があります。

これはワールドカップだけの話ではありません。

例えば、高校野球の決勝戦、日本シリーズ、バレーボールの国際大会なども、結果次第では大きく報道されます。

 

テレビ局が主催や放映権を持つ大会は、その局を中心に大きく扱われる傾向がありますが、優勝や歴史的な出来事が起これば、他局や新聞、WEBメディアでも一斉に報道されます。

だからこそ、PR担当者は「何を発信するか」だけでなく、「いつ発信するか」にも気を配る必要があります。

どんなに良いイベントでも、世の中が別の大きな話題で持ちきりであれば、本来得られるはずのPR効果を十分に発揮できません。

PRでは「内容」が重要なのはもちろんですが、「タイミング」も同じくらい重要です。

社会全体の関心がどこに向いているのかを見極め、その流れを読みながら情報発信を行うことも、PR担当者に求められる大切な役割なのです。

 

ワールドカップのような世界的スポーツイベントは、多くの人に感動や興奮を与えてくれます。その一方で、PR担当者にとっては、社会全体の話題が一つに集中する「特別な期間」でもあります。

だからこそ、PRでは「何を発信するか」だけでなく、「いつ発信するか」を見極めることが重要です。世の中の関心がどこに向いているのかを読みながら情報発信のタイミングを考えることも、PRの大切な仕事の一つなのです。

ワールドカップのような大きなスポーツイベントは、決してPRの天敵ではありません。むしろ、世の中の関心がどこに集まるのかを教えてくれる存在であり、その流れを踏まえてPR戦略を組み立てることの重要性を改めて感じさせてくれるイベントだと思います。

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著者・橘川徳生 プロフィール

中央大学経済学部を卒業。大学時代は、落語研究会に所属するほどの話好き(うるさいというのが周りの評価?)。座右の銘は「無知の知」。大学卒業後、電力会社や生命保険会社での勤務を経て、1990年ウインダムに入社。過去の様々な業務経験を活かして、PR業務に携わる。

落語研究会で養った自由な発想をもとに、様々なPRやマーケティング企画を立案し。業務を通して蓄積した広範な業務知識をベースに、独自のPRコンサルティングが好評を得ている。趣味はランニングと読書。本から新たな知識を見つけたり、ランニング中にアイデアを思い浮かべる。

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